詩人:どるとる | [投票][編集] |
身に余る幸せは この身体を
欲望に沈める だからいらない
両手で 抱えきれるほどの幸せだけで
いつまでも 満されていたいと願う
この手に余る希望は 残酷なほど 脆すぎて
ふれたそばから 崩れて もう跡形もない
欲しいものすべてを手に入れた僕はきっと空っぽだ
一体何のために 僕は 欲しかったんだろう
それを手に入れるためにどれほどの人を傷つけただろう
どれくらい嘘をついたのだろう
自分をあなたをどんなに裏切っただろう
身に余る幸せは この身体を
欲望に沈める だからいらない
両手で 抱えきれるほどの幸せだけで
いつまでも 満されていたいと願う
僕は 満ちることのない海でいたい
引き潮のまま ただ青い空を眺めていたい。