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どるとるの部屋


[6860] ブラックコーヒー
詩人:どるとる [投票][編集]


おそろいのマグカップで珈琲を飲むのが好きだった

愛とか そんなんじゃなくて 多分馴れ合いみたいなもんだったよ

でもいつの間にか 僕のほうは君に惹かれていた

君は気づいていたのかな そんな僕の気持ちに

会いたい もう一度だけ君のあの笑顔を見てみたいんだ

もう二度と会えないと知っていても心が君を忘れようとしないんだ

あの日この手を離さなければ そんな後悔だけが

砂糖もミルクも入ってないブラックの珈琲みたいに胸を 熱く焦がすよ

素直じゃないし ちっとも優しくもないけど君となら ありのままの僕でいれた

日曜には 二人で自転車に乗って サイクリングに行くのが 日課だったよね

君が 僕を嫌いって 避けた理由を僕は 最後まで知らなかった

「あなたを悲しませないように」なんて君といれないほうが僕は悲しいよ

冷たい北風が吹く 並木道を 二人で手を繋いで歩いたことや

お互いの好きなこと 眠るまで 言い合ったあの夜 忘れないよ

君がいなくなって残ったのは 数えきれない思い出とマグカップ

珈琲を淹れたけど 君の淹れた珈琲の味には遠く及ばなかったよ

あの日流れた涙が もしも君の 元に 流れて行ったならば
この思いも 運んでください 「あなたと一緒にいれて 僕は幸せだったよ」と

会いたい もう一度だけ君のあの笑顔を見てみたいんだ

もう二度と会えないと知っていても心が君を忘れようとしないんだ

あの日この手を離さなければ そんな後悔だけが

砂糖もミルクも入ってないブラックの珈琲みたいに胸を 熱く焦がすよ

数分もかからずに飲み干した マグカップには

思い出だけが 残って 僕は 寂しさでいっぱいになった

そしてふたたび注ぎ足される珈琲は どんな味がするだろう。

2015/11/21 (Sat)

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