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どるとるの部屋


[7084] 君に似た花
詩人:どるとる [投票][編集]


見上げる空が 赤く染まっている
風も冷たくなれば 温もりが欲しくなる

ポケットにしまったままのあの涙が
はみ出してしまうのを必死でこらえる

泣くことなんかゆるされない
いつからか そんな強がりだけに 生きるようになってた

帰る場所はあるにはあるけれど
この世界には 僕の帰る場所なんかない

道に迷った心で きれいな花を見つめたら
いつの間にか強がることなんか馬鹿馬鹿しくなった
その花はどこか君に似ていたから

帰り道の途中に ポツンと影落として
何を見つめているのかな 眼差しの先に

大好きな歌を口ずさんでごまかしても
もう 遅いんだよ 涙は流れてしまう

いつまでも大人になれない 背伸びばかりしているだけで
寸足らずの心と体

あなたには帰る場所がありますか?
そして待っていてくれる人はいますか?

それならそれは 幸せだろう それ以上何が必要というだろう
満たされすぎているくらいの毎日だ

下校する 小学生の背中 黒と赤のランドセル

歩道橋が かんかんと 鳴って 僕の行く手をバーがふさいだ

帰る場所はあるにはあるけれど
この世界には 僕の帰る場所なんかない

道に迷った心で きれいな花を見つめたら
いつの間にか強がることなんか馬鹿馬鹿しくなった
その花はどこか君に似ていたから。

2015/12/26 (Sat)

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