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どるとるの部屋


[7225] 旅立ちの日
詩人:どるとる [投票][編集]


君が 嫌いだと言ったこの世界を
僕が 愛せるようにしてみせるね

いい加減で 気まぐれで
駄目な僕のことを 愛してくれたお礼に

ほんのささやかな幸せを約束するよ

プラットホーム 急行待ち三番線

そわそわしながら 君は落ち着かない様子

旅立ちの日には おおよそ似合わない涙が

今にも 溢れだしそうだったから

ふるえる手をギュッと握った

また会おう ただそれだけを手渡した

別れと出会いをいくつ繰り返せば
永遠を手にすることができるだろう

傷つけたぶんだけ 癒されて
痛みの数だけ 優しさを もらいました

永遠のない世界でも永遠を誓うよ

あの日と同じ時間 同じ曜日 同じ気持ちで

今度は君を迎えに来たよ 季節はもう春だ

涙を流したっていいよ全部受け止めよう

頼りない背中には大きすぎる夢を抱いて

手と手を結んだ ここからは二人三脚

僕は一人じゃない それだけで心強い

言葉に頼りすぎたね 行き場のなくなった僕たちは
すぐに 弁解しようとするけど
それが そもそも間違いなんだね

下手くそでも 遠回りでも 伝えること
それが大事だってこと いつの間にか忘れてた
だから何度でも 君を 愛そうと試みる

プラットホーム 急行待ち三番線

そわそわしながら 君は落ち着かない様子

旅立ちの日には おおよそ似合わない涙が

今にも 溢れだしそうだったから

ふるえる手をギュッと握った

また会おう ただそれだけを手渡した

聞こえないくらいの声で
愛してるとささやいた

つぶやいたときには君はもう
行ってしまったあとだった

今なら伝えられるよ
「愛してる」 やっと言えました。

2016/01/14 (Thu)

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