詩人:どるとる | [投票][得票][編集] |
東京に 暮らしはじめて 早いものでもう
十数年の年月が 流れてしまいました
東京には23もの区があるんです
なるほど 広すぎて迷うはずだな
いつもの駅で いつもの顔で
代わり映えしない景色の中で
いつもと同じ気持ちで生きてる
窓の外に映るのは通りすぎていくだけの
他愛ない 会話のようなどうでもいい景色
いつか信じていた夢を追いかける気持ち
そんなものがあったことさえ忘れたよ
人の数だけある暮らし 見えないお互いを
思いながら 交わせぬ温もりは寂しそうに
月に一度会える週末を待っている
覚えたそばから忘れる 駅の名前とか
この前、会ったはずの誰かの名前
積まれた本の下敷きになってる日記には
日記をつけた最初の日以降の記述はない
いつもの場所でいつもの彼に会う
会う前から 抱く気持ちも同じ
飛び出しそうな胸のドキドキ隠せない
人生に終点なんてものがあるとしたら
多分今なんだろうなって諦めたすべてを
今さら名残惜しくなって 追いかけても
追い着ける筈もなく離されてくばかりだ
なくしたものの数だけ何かを手にしても
今あるすべてが紛れもなく僕のすべてだ
そして呆気なく迎えるのはウィークエンド
会えないぶんだけ募らせてた思いを
少しだけ言葉にしたくて 弱いふりしてみる
そんな些細な企みさえ感じてほしいの
窓の外に映るのは通りすぎていくだけの
他愛ない 会話のようなどうでもいい景色
いつか信じていた夢を追いかける気持ち
そんなものがあったことさえ忘れたよ
人の数だけある暮らし 見えないお互いを
思いながら 交わせぬ温もりは寂しそうに
月に一度会える週末を待っている
あなたに会うためだけの忙しさを
週末には 歓びに変えてしまう君に脱帽。