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どるとるの部屋


[7700] 待ち合わせ
詩人:どるとる [投票][編集]


振り子のように 行ったり来たりを
繰り返すだけの 毎日に辟易してる

声だけでもつながっていたくて
電話越しに近くにあなたを感じる

すぐそこにいるような気持ちになれる
でも遠く離れてる ふれられないジレンマ

こっちは雨が降っているけれど
そっちはどうだい?
東京の暮らしには慣れたかい?

今すぐに 会いたいよって言おうとした
その気持ちを引っ込めてしまうんだ

本当は笑ってる場合じゃないのにね
素直になれないのはどうしてだろう

心が探してるのは君の声よりあの笑顔
一秒たりとも遅れないで約束だよ

はげしく窓をたたく雨の東京駅
こんなときだけ外れる天気予報

今か今かと そわそわしている
待ち合わせの時間まであと何分だろう?



会ってもしてあげられることなんかは
たかが知れてるけど それがどうした

少し勝手になって寂しさを埋めてやる
弱い僕を許してねでも君が悪いんだよ

こんなに僕を寂しがらせて 悪いやつだ
思う存分 甘えたいなあ

渋滞を抜けて 君の待つあの場所まで
時計ばかり気にしてる さっきから

吐息は 少しだけ 白く雲って消えた
夜は 冷えるから暖房を入れよう

いくつか用意してた話題を何度も
練習して いざというとき出せるように

ごまかすようにかけたCD ますます
はげしくなる雨さえも愛しい夜

どこにゆこうか?やっと口を開いた僕の
勇気に敬意を評しまして ガッツポーズ

「ちょっとだけ 二人になれるところまで」
かしこまりましたとばかりに 頷く

抜けてゆく渋滞の先を 目で追いかけて
言葉は いつもよりちょっと饒舌になる

同じタイミングで声が重なる
どうぞどうぞと譲り合い
いつまでも 話が進まないね
でもそんな時間もまた素敵だ

いつの間にか 雨は止んで 夜空を星が飾る。

2016/04/23 (Sat)

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