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どるとるの部屋


[7795] 遠い未来の話
詩人:どるとる [投票][編集]


君は世界が終わってしまう
遠い未来の話をしながら泣いた

こんなに今は穏やかなのに
人の命には永遠なんてない

窓の外をきれいに 染める夕焼け空
幸せは手を伸ばせばつかめそうなのに
あってないようなものだと笑った

水面に落ちる 雨のしずく
波紋が広がってすぐに消えた

いつか止まる時計を胸に隠しながら
引き出しの中にしまった 明日

ボタンのとれかけたシャツを
糸と針で波を描くように縫う

校舎に落ちる影とチャイムの音
さよならがもうそこまで近づいてる

田んぼばかりの景色に畦道が通る
疲れ果てるまで 自転車を漕いだ
画用紙に描いた未来はぼやけてる

目を閉じた暗闇にも灯る光
君の声が道しるべになる

雨上がりのあとも 止まない雨
傘をなくしたように立ち尽くすんだ

またひとつ誰かの影が 道を外れて 物語からはみ出したよ

悲しいねとか 切ないねとか もう言葉にするのも辛いんだ

水面に落ちる 雨のしずく
波紋が広がってすぐに消えた

いつか止まる時計を胸に隠しながら
引き出しの中にしまった 明日。

2016/05/08 (Sun)

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