詩人:どるとる | [投票][編集] |
なくしたものに もう一度会いたくて
返るはずもない人の名前を呼んでみた
言葉を探してたよ 魔法の呪文も
知らない僕は なくしたことさえ
夢の出来事のように思いたかった
当たり前のようにつないでた
この手に灯っていたぬくもり
いつの間になくしたんだろう
離したつもりはないのに
あわててギュッと握りしめた手は
空気をかすめてつかんだだけ
季節はまたひとつ新しいページに移る
おかしいな 昨日とは違う世界みたいだ
会いたいと思ったときにはもういない
あの時きつく言い過ぎたかなと
後悔してももう届かない僕の声
葉っぱが枝から落ちるように
それは誰のせいでもない風のいたずら
最近君の笑顔がうまく思い出せない
時間は残酷なまでに流れているんだね
もう一度出会えたら生まれ変わっても
君と出会いまた恋に落ちるだろう
手のひらを見つめて君の手のぬくもりを
思い出すときに悲しくなるのはきっと
どんなにイメージしても よみがえることのない 気持ち
自分を慰めるつもりなのになくしたことに気づいてしまう
それでも君を描くよ 君と僕が 綴ってゆくはずだった未来図に
当たり前のようにつないでた
この手に灯っていたぬくもり
いつの間になくしたんだろう
離したつもりはないのに
あわててギュッと握りしめた手は
空気をかすめてつかんだだけ
散っていく花びらが君に見えた
追いかけようとして叱られた気がした。