詩人:どるとる | [投票][編集] |
一分一秒を 刻んでいく時計の針が
またひとつ僕の時間を奪い去ってく
鉛筆を削るように短くなる命
痛みはないが胸が締めつけられる思いだ
忘れられない思い出が 記憶に刻まれて
永遠のない世界で 誰かを愛し そして誰かに愛される 今日も
ふれられないぬくもりを 確かに
この手に 強く握りしめて
大切だと叫ぶ 言葉にもならない思い
朝焼けの街に 雲の隙間から差し込む光
「生きていること」を 当たり前に感じる幸せ
脈打つ鼓動に 垣間見える命
僕は今さら気づいたんだ 命あることの意味に
ありがとうとか 愛しているとか
言葉なら なんとでも言えてしまうね
だから大切なことは言葉にはしないよ
時のレールを走る 電車には 途中下車などないことを 乗る前から教えておきたかった 今はいない人に
ふれられない 思いや気持ちは信じるのに
目の前にいる ふれられる人の ぬくもりを時に嘘だと疑う
なまじ目を開けたままで 見えるものは
時にとても疑わしいから そんな時は目を閉じて手探りで 思考を泳がせる
ぽたり ぽたり
黄色い砂が 硝子の向こうで
落ちてく 一分で砂が落ちきって
また逆さまにして
もう一度、一分を計る
でも 人生には生憎 やり直しはない
だから、後腐れのないように今を 生きる 今日も
ふれられないぬくもりを 確かに
この手に 強く握りしめて
大切だと叫ぶ 言葉にもならない思い
朝焼けの街に 雲の隙間から差し込む光
「生きていること」を 当たり前に感じる幸せ
脈打つ鼓動に 垣間見える命
今を 一生懸命に 生きていることを
声を枯らして 誰かに向けて歌っている。