詩人:どるとる | [投票][編集] |
僕や君だけにしかわからない悲しみ喜び
一体誰が知るだろう 見られたくない過去の傷あと その痛み
宛もなく走る電車に乗って
過ぎ去る風景を眺めたり
こっそり君を思ったりしているよ
そうして いつの間にか知らず知らず失うものを
代わりに手にしたもので 埋めていく
失う痛みさえ 感じなくなったら
生きている意味なんてあるのだろうか
やぶれた場所に あてがうあっぷりけ
隠すように縫い合わせれば 傷あとは消えてしまう
人の愛の歌を真似して歌う
今はまだ 迷いながら 手探りして
僕の中にいる 僕と話しながら
少年の瞳に映る ありのままの大人は とてもずる賢い
正しく生きたい自分を真っ向から否定する
間違った正しさが罷り通るなら
自分が自分でいる意味なんてあるのかな
見上げた空に 低くたれ込んだ雨雲
あいにくと傘はない 悲しみに抗うための免疫もない
それでもそんな世界で大人になることを強いられる
僕も君も 少年でした
そうして いつの間にか知らず知らず失うものを
代わりに手にしたもので 埋めていく
失う痛みさえ 感じなくなったら
生きている意味なんてあるのだろうか
少年の瞳に映る ありのままの大人は とてもずる賢い
正しく生きたい自分を真っ向から否定する
間違った正しさが罷り通るなら
自分が自分でいる意味なんてあるのかな。