詩人:どるとる | [投票][編集] |
赤く錆びついた廃線のレールを辿る
突き刺さるような陽射しがまぶしい
どうでもいいことだけど 最近はね
漸く笑えるようになったんだ
がらくた集めて 拵えた秘密基地は
雨風に負けて 3日ともたず 半壊した
段ボールで出来たような脆い思い出
小脇に抱えながら大事そうに未来に運ぶ
僕らは 暑さなんてものともしなかったよ
ただ駆けていく 何かに夢中になって
明日笑うために生きる今とは違った
今を笑うために 今を生きていたんだよ
大好きなレコードとラムネの瓶
夢を詰め込んだ魔法のトランク
そのなかには 今の僕が持ってない
今の僕には持てない思いがある
畑ばかりの道を 自転車で日が暮れるまで
走って 放っておけばどこまででも行った
笑うように泣いて泣くように笑った
そこにあった気持ちはいつも前を見てた
嘘なんて必要なかった あの頃の世界には
ただ今が楽しければそれでよかったから
生きることを 愚直に楽しんでいた
笑うためだけに 明日があったんだよ
待ち遠しいくらいの明日が あったんだよ
夜明けが いつまでも来なければいい
そんな思いなんて しなくてもよかった
今とは 大違いだな
僕の中で 何が変わったんだろう
多分、変わったのは背丈くらいだろう
姿形はどんなに立派になっても
まだ幼さ残る 大人になりきれない
少年のままの僕が 僕のなかには残ってる
段ボールで出来たような脆い思い出
小脇に抱えながら大事そうに未来に運ぶ
僕らは 暑さなんてものともしなかったよ
ただ駆けていく 何かに夢中になって
明日笑うために生きる今とは違った
今を笑うために 今を生きていたんだよ。