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どるとるの部屋


[8009] 少年のまま
詩人:どるとる [投票][編集]


赤く錆びついた廃線のレールを辿る
突き刺さるような陽射しがまぶしい

どうでもいいことだけど 最近はね
漸く笑えるようになったんだ

がらくた集めて 拵えた秘密基地は
雨風に負けて 3日ともたず 半壊した

段ボールで出来たような脆い思い出

小脇に抱えながら大事そうに未来に運ぶ

僕らは 暑さなんてものともしなかったよ

ただ駆けていく 何かに夢中になって

明日笑うために生きる今とは違った

今を笑うために 今を生きていたんだよ

大好きなレコードとラムネの瓶
夢を詰め込んだ魔法のトランク

そのなかには 今の僕が持ってない
今の僕には持てない思いがある

畑ばかりの道を 自転車で日が暮れるまで
走って 放っておけばどこまででも行った

笑うように泣いて泣くように笑った

そこにあった気持ちはいつも前を見てた

嘘なんて必要なかった あの頃の世界には

ただ今が楽しければそれでよかったから

生きることを 愚直に楽しんでいた

笑うためだけに 明日があったんだよ

待ち遠しいくらいの明日が あったんだよ
夜明けが いつまでも来なければいい
そんな思いなんて しなくてもよかった
今とは 大違いだな

僕の中で 何が変わったんだろう
多分、変わったのは背丈くらいだろう
姿形はどんなに立派になっても
まだ幼さ残る 大人になりきれない
少年のままの僕が 僕のなかには残ってる

段ボールで出来たような脆い思い出

小脇に抱えながら大事そうに未来に運ぶ

僕らは 暑さなんてものともしなかったよ

ただ駆けていく 何かに夢中になって

明日笑うために生きる今とは違った

今を笑うために 今を生きていたんだよ。

2016/07/03 (Sun)

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