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どるとるの部屋


[8120] 歩道橋
詩人:どるとる [投票][編集]


夕暮れの 教室の隅窓から見てたのは

寂しさを描いたような土煙舞う 校庭

石ころ蹴飛ばしながら家まで帰る

追い越されていくチャイムの音に

歩道橋から見えた 沈みそうな夕日が

僕にくれたのは 小さな優しい光の種

広げた手のひらに咲いた君の温もり

静かに見下ろす 街に夜の帳が降りてきて

また明日で 別れるいつもの分かれ道

喧嘩してもただいまだけは忘れない

言葉にしただけで心が 丸みを帯びる

着替えをするように空は夜に着替えて

月や星の模様の 上着を 羽織るだろう

まだかすかに残ってる君の温もり

人を選ばずに 向こうに渡らせてくれる

歩道橋の真ん中に来たとき いつもいつも
同じ気持ちになる 切なさとも違う気持ち

今なら誰にでも優しくなれる そんな気がする

歩道橋から見えた 沈みそうな夕日が

僕にくれたのは 小さな優しい光の種

広げた手のひらに咲いた君の温もり。

2016/07/31 (Sun)

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