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どるとるの部屋


[8122] 最終電車のメソッド
詩人:どるとる [投票][編集]


最終間近のがら空きの電車が好きな僕
対象に人混みが好きな君と交わすどこか噛み合わない会話

暗い路地裏が好きな僕と 明るい街中が好きな君と 出会い恋に落ちるちょっとした神様の手違い

水と油のような僕らは 重なれない
わかりあうこともない
でも離れもしない

今どれだけの 人が誰かに会いたがっているんだろう
この街の思いを一つ一つ拾ったとしたらどれだけの思いがあるのだろう

ふと気になったこと
その中には君を思う僕の気持ちや
僕を思う君の気持ちはあるのかと 気になったんだ

好きな映画のジャンルも見事に被らない だから僕はホラーも観て 君は恋愛映画を観る

小説だって 音楽だって趣味の違う 僕らは 互いの良さについても 理解できてない

でもふとしたとき
なんでもないときに
君を思う気持ちがそんなことを 曖昧にするんだ

君と僕を隔てる見えない線の向こう側へ 僕は 踏み出して
君を 痛いほど抱きしめて 「愛してる」とささやいた

改札から出た僕らは 見上げる空に 流れ星を見つける
何をお願いしたか それは 内緒ねと
笑う君が 何より愛しく見えた

そんな時間が 多分僕には必要で
これからもそんな時間が 僕の 思い出になっていくんだろう
コレクションのように集めてる 君との毎日の中で手にした気持ち

今どれだけの 人が誰かに会いたがっているんだろう
この街の思いを一つ一つ拾ったとしたらどれだけの思いがあるのだろう

ふと気になったこと
その中には君を思う僕の気持ちや
僕を思う君の気持ちはあるのかと 気になったんだ。

2016/07/31 (Sun)

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