ポケットの中の煙草を 探る右手が残念そうに 引き抜かれたのは夕方を少し 過ぎた辺りの夜の手前月を撫でる 猫の長いまだら模様の尻尾が 流れる音楽にあわせて左右に揺れる悲しみは 言葉にすれば 涙をいくら流しても 語りれないから僕は 悲しみを通り雨と笑うよ角砂糖積み上げて崩しても何も生まれやしないのそれでもいいの 気が紛れるなら今は少しだけ 優しい 人のふりをしてて月の明るい夜に涙なんか見せたくないから。
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