詩人:どるとる | [投票][編集] |
今日も始まる一日
夜が明けるけれど何のやる気も なく
ただ あくびして時間が過ぎるのを待つ
煙草を数本 吸ったところで
日の落ちたことを知りあわててしまうんだ
また一日が 無駄に終わっていく
どんなに悔やんでも昨日には 戻れない
そんな当たり前なことに 気づく
カメラをかまえる仕種で
大切な 場面を
カシャリと シャッターを切るように
忘れてしまわないように
網膜に焼きつけて
「幸せ」のその意味を
間違えないように
僕は明日を生きていくよ
ついこの前やってた映画の なんていったっけ
脈絡もない 話の意図を 絡まった糸をほどくみたいにして
手探りで 互いの心を理解しようとして
あわよくば 愛なんてものを そこに求めた
赤く焼けた空の夕日がまぶしくて
錆び付いた歩道橋の真ん中に来たら
優しい 風が 落ち込む僕を慰めた
いつの間にか 生きることに 慣れすぎて
笑うことさえ しなくなっていた
立ち止まった 夜の帰り道の 途中で
見上げた空の きれいなこと
今まで出会ってきた大切な人達の 笑顔をなんとなく思い出しながら
今はまだ見えない幸せを 探すよ
街に雪が降り積もっていく
ケーキの上に メレンゲを 振りかけるみたいに
やがて明日の 朝には
一面の 雪景色
こんな小さな幸せを 僕は今まで
見過ごしていた
大切にすべきは
形のない思いや目には見えない気持ちだろう
そうやっていればいつかはきっと
カメラをかまえる仕種で
大切な 場面を
カシャリと シャッターを切るように
忘れてしまわないように
網膜に焼きつけて
「幸せ」のその意味を
間違えないように
僕は明日を生きていくよ。