詩人:どるとる | [投票][得票][編集] |
ただ黙ってひとり本を読むように
それも目だけで文字の羅列をなぞるように
ただやるべきことをこなすだけの日々を生きて
友達も 家族にも
言えないことをひとり抱えている
子豚のしっぽのようにくるっと渦巻いてる不安のあまりの多さにため息が止まらない
進むべき道はどっちだ
選ぶべき道はどっちだ
いつも選択肢ばかりで
疲れ果ててしまう
ひとりが好きなんだ
そうやってすぐ嘘をつくのは僕でその嘘を見破るのはいつも君で
そんなやりとりがなぜだか愛しくて
いつの間にか君に恋していた僕に気づいた
バレバレの嘘をついたら
思わぬ答が返ってきた
『私があなたにはどうやら必要なようね』
『よくご存じで』
夕日に二人の影
揺れるシルエット
くだらない
嘘も今はプロポーズのように大切な言葉だ
はじまりの言葉だ
嘘はたちどころに
真実になった
あの瞬間を
君は おぼえてる?