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Rayの部屋


[69] 僕とあいつ
詩人:Ray [投票][編集]

僕とあいつは
いつも一緒で

抱き合うでもなく

ずっと一緒で
ずっと笑っていた。


ときにあいつが
どこか寂しそうな横顔を見せると


僕は不安になり
どうしたのかと問う


するとあいつは
胸のうちを明かして

僕にぶつけてくる


僕もまた 同じように
寂しかったり不安で恐かったりしたときには

あいつに胸のうちを明かして

あいつにぶつける。



そうして僕らは
強くなり
最後にはまた一緒に笑う。



それが僕には
何よりも幸せだった。

あいつも同じだと僕は思っていた。




そして 突然訪れた
別れ。


あいつは故郷に帰ると言った



そういえば 僕らは
何のため一緒にいたのだろうと
僕はそのとき考えた


答えが 意味が
その場で見つからずに

僕はただ 戸惑っているばかりだった



そんな僕に
あいつは言った。


『あんたといて、確かに私は幸せだったよ』と。

精一杯の笑顔で『ありがとう』と。



それを聞いて
そんなあいつを見て

僕は言った


『泣いていいんだよ』と。


その言葉に
あいつは驚いて

そして

声を張り上げ 叫び
泣いた。



僕も一緒に 思い切り泣いた。


いつも一緒に笑っていた僕らだったけど
そのときは
一緒に声をあげて
ひたすら泣いた。

そして強く抱き締め合った



最後まで あいつは泣いていた。


いつもの笑顔が思い出せなくなるほど
ずっとずっと泣いていた

僕もあいつも
『さよなら』は言わなかった

必要がないと 思ったから


お互いに
何処にいようと
何をしてようと

繋がっていると
信じていたから



あいつと一緒にいた日々は

決して無駄じゃなかった

無意味なわけはなかった


幸せを探しに生きた僕は

あいつとの間に

いつからか

幸せを見付けだしていたんだ。。。






2004/09/26 (Sun)

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