詩人:ひトも | [投票][編集] |
そいつは真似して少し笑った。
意味など解ってないのだろう。
頭に直接語る癖。
いい加減にやめてほしい。
人が羨ましいという。
意味のわからぬ音を発して、
今夜も僕を悩ませる。
僕らは空も飛べないし、
瞬間移動もできやしない。
何がいいかと尋ねると、
ご飯をいっぱい頬張りながら
ほころぶ顔が良いという。
光合成する彼らには、
美味しいご飯は必要ない。
人が羨ましいという。
僕を怒らす音を発して、
夢でも僕を悩ませる。
僕らは食べなきゃ死んじゃうし、
食べても1000年は生きられない。
何がいいかと尋ねると、
他人のために困ったり、
涙するのが良いという。
クローン産める彼らには、
愛する誰かは必要ない。
振られた夜に夢に見る
その子をつついて首をかしげる。
そいつは真似して顔を濡らした。
その泣き顔は不細工で
僕は思わず少し笑った。