詩人:はちざえもん | [投票][得票][編集] |
昔話に おあつらえ向きの陽気さ
あの日、死神の日向ぼっこ 確かに見たあの化け物は
最早、恐怖を通り越した人の織り成す滑稽な何か
砂上を天下と、揚々駈け出す幾許の空
夏草と荒城、勝どきを挙げるのは誰だ
冥土の土産に抜け駆け功名
縁側語る昔話を
思い返して夏が終る
居場所を見つけたなら、その時は
高らかに泣け
勝ち負けなんてあってない物よ、なんて縁側で呟く
夢の如き日々が去り、思えば儚き幾許の名
それぞれが相応しい場所で役割を演じる
そこに人がいて時代が彩る
死神のアクビを横目に 儚き夢を見た
夏が終わりを告げる
潮騒の音、夏雲が降りていく
夕日に例えて孤城落日
向日葵の匂いを振り撒いて、
爺が死神相手に縁側で笑っていた。
落ちて覚めない夢ならば… 夢は遠き幻に近し