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タンバリンの部屋  〜 投稿順表示 〜


[11] 世界平和と身近な君と変なの
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世界中の人と話せたらいいな、なんて


いいかげん慣れてきた英会話教室


クラスもCに上がって、もう一ヶ月だ



今はもう馴染んだけれど

ここにはいろんな人が来る


会社員、高校生、老人


ん?



変なのがいる。

 明らかに変なのがいる。



まずパンくってる。何枚も持ってる。



さらにコーラ持ってる。授業なのにコーラ持ってる。



『ねぇ。マーガリン、ちょうだい』



日本語で来たか。


でも僕は冷静だ。もちろん英語で断った。


そのあと、
彼はコーラをこぼした


(もういい。俺には関係ない。)


そして



いきなり会社員が彼を殴った


高校生は面白がって加わった


老人は必死に彼らをたしなめた




俺はただ、それを見ていた。

2004/11/11 (Thu)

[12] 小便にいさん
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小便こぞう、みなさんが知っている

アレです。


彼らは、生涯小便を出し続けます


それは、半永久的に


で、



小便にいさんです。


この生き物は、ある時期がくると


やはり、小便を出しつづける、


そして、水分がなくなって死にます。


北パプリカ半島の小さな町で、

彼らがよく死んでいる訳です。



小便にいさんは夢をみます


何か、大きな夢を



小便にいさんは分かっているのです


自分の人生に限りがあることを


それは少年時代

あるいは彼の全て


青春時代



小便にいさんは、分かっているのです。


自分が大人になってしまうこと、


それは近いうちにくることを・・・。

2004/11/18 (Thu)

[13] スーパー思想回路
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(はい、もしもし)



…キリンさんが好きです


でも、ゾウさんの方がもっと――


でも、一万円札の方がもっと――


でも、百人の恋人の方がもっと――


でも、地位と名声の方がもっと――


でも、アスファルトに咲くタンポポも好きです。



…よし、じゃあタンポポのくだりだけ言っておこうか。



嫌われないように。



…とっちゃおうかな。

2004/12/02 (Thu)

[14] アルミホイル
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季節もしんしんと冬に変わって、

中高生が焼きいも屋に喜んで走っていきます。


貧乏な僕は、それを見ていてくやしいのです。


だから、ボールペンや消しゴムを

 アルミホイルで包んで焼いては、



腹いせに隣のじじいの畑にまいていたのですが



そのせいでじじいが引っ越して



寂しがりやの僕は、それを見ていてくやしいのです。


だから、近所の子供や向かいの犬を

 アルミホイルで包もうと・・・



でも、その途中で青い服を着た人達が来たから


僕は安心して、両手を差し出したんです。



本当に、本当に心細かったから。


これでいいんだって、思ったんです。




―きちきちとアルミホイル。

 まるで冷たい金属ロール。

2004/12/04 (Sat)

[15] 水色ドア
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二階の右から四番目、一つだけ色が違ってる


ペンキ塗りたて水色ドアに、ノック3回


ドアが開いたら、振り向きざまにラリアット。ふざけ笑いで。


それが僕達の合図



一人には広めの2DK、偏った家財道具たち


二度煎れの苦いコーヒー

いれたら流しにぶちまけるのが


僕達の決まり



また、彼女はあの掛け時計を

12時間と5分ずれているって言い張る


僕は、そうだね。って、うなずく



ボロのベッドに裸電球

ひねって消したら



始まりの合図



僕は思う。


倒錯的な出来事に溺れるように、


現実世界は海の底へと舵をとってる



だからいつか、きっといつか


僕たちはまともだって、言ってもらえる日々がくる。



くるんだ。

2004/12/06 (Mon)

[16] カク、融合
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自分ひとり、殺せるカクゴで


そんな多大な、存外なカクゴで



イクイクイクイクイクイクイクイク



イイカイ。君の



心をクリック


ドラッグしたら



クルクルクルクルクルクルクルクル



あぁ、少し酔い気味のサバシティカル


5分置いて。


試合を始める

2004/12/11 (Sat)

[17] 行こうチャッピー
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ところでチャッピー

 用事は済んだかい?



チャッピー、

 君の飼い主は本当に―



ところでチャッピー

 人間は好きかい?


やっぱり好きか

じゃなきゃ右手を噛んだりしないね



ところでチャッピー

 鎖がないと、やっぱり駄目かい?



そうか、チャッピー

 鎖があるから安心で

 無いと不安で走れない



なぁチャッピー


 少しずつ、やってみようよ



右手を噛む程に苦しんでいるんなら



一緒に旅に出よう



毎日違うえさ食べよう



原っぱで遊ぼう




コンビーフだって、たくさん買っておいたんだ



ちぎり残った鉄の鎖が


いつか溶けてなくなるように



一緒に行こう、チャッピー

2004/12/12 (Sun)

[18] クルーマン
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なんてったって、

俺の車は四駆


こないだシャーシを軽くしたよ


本気だしたら結構速いぜ



ミニ四駆だけど



そういや公園でね、


鳥がさぁ、こう、すごく翔んでて


その中の白いやつ。

あれ、なんか良いよな。


俺、追いかけたよ、2キロくらいかな、


そしたら学生にぶつかってさ、このザマなんだ。はは。



やっぱ俺って、もう・・・。


いや、なんでもないよ、はは。




―いつも一人のクルーマン


暖かかった日々を思い出した



去年のクリスマスも、おととしのクリスマスも



クルーマンはお願いしてた




どうか、ほんの少しの愛を。



また、クリスマスが来るんだね。はは・・・



いつも一人のクルーマン



涙が、出てきた

2004/12/13 (Mon)

[19] リモコン
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リモコンがない。




そうか、



リモコンの国に帰ったのか




そんなお前にも




帰るところがあるんだな




エアコンつかないけど




年明けまで待つよ




俺にも?




どうかな‥‥




行ってきなよ




何も気にせずに




楽しんでおいで




片付けなくちゃね



この一年を



片付けなくちゃね




七色の泥団子




羽のはえたクマも




鏡餅、送ろうか




本物のミカン




上に乗せて


2004/12/28 (Tue)

[20] 君と僕がいれば
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君と僕がいれば




あと、『ごはんですよ』があれば何もいらない。



なんてね、ちょっとクサイかな?



いや、『ごはんですよ』の臭いの方じゃなくて。



馬鹿にしないできいておくれよ



みんな、一人一人の言い方があって



これが、僕の言い方。



そうだよ



生き方ぐらい、僕たちの自由なんだ。



固まらずに、一緒に行こうよ


嫌でなかったらさ、



生き方ぐらい、僕たちの自由なんだ。

2004/12/30 (Thu)
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