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夕焼け色の飛行機雲がしあわせすぎて隕石に見えた時があって、
僕は見とれてお小遣いで買ったオレンジジュースをこぼしたんだ。
本当に昨日の出来事みたいだよ回ってて。回ってるからフィルムは照らされてて。だから綺麗。
泣きたかったんだ、雨の日以外は。
別に抱きとめてほしいわけじゃないんだな。
でもサバンナが好き、動物達が走っててそれは一生懸命流れる。水が色んなものにあたって、弾けたりして、光る。
変わらない、何も。がらりと変わり過ぎて、見えなくなるから。
ところでいつも不思議に思うんだけれど
なんでか言葉ってすぐモノに化けてさ、あなたに届く前に姿形を変えるあれは
やっぱり君のかたちになってるのかな。
なってるといいな。
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「空って海より狭いと思うの。
ワインをひとくち飲めば分かる事だわ。」
目線を合わせて
犬と仲良しの頃。
サワークリームほっぺたに付けて、彼女はかしこそう。
「カーペットは散らかってるのに、みんな靴をそろえるのに夢中。
それに気付いてるの私だけ、トーストが上手なあなたにだけ教えるの。」
サワークリームほっぺたに付けて、彼女は無垢。
あの犬が部屋の隅っこ。
人はみんな舌を出してる。
僕がカナヘビにさよならと泣いた。
誰かすぐそれ、踏んづけた。
「ポテト取ってよ、サワークリームの中だわ、きっと。」
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皮を剥かれた綺麗なリンゴを
何色だって言ってもいいんだよ
そしたら君はリンゴに色を名付けた事になるし
もしかしたら喜んで、その色に変わるかも。
でも、その前に僕は簡単に呼び捨てていたんだ。
リンゴの皮は茶色。
すぐに腐るから、必要ないんだよね
価値観に沿った諭ししか受け入れないのなら
僕とリンゴの皮は無関係なのかな。
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良い果物がある時は皆ジンで割ってしまうんだ
もの珍しそうに何も知らない君と
時々いたずらをして暮らしたい
言葉を空気の瓶に居れて
巨峰の実の色したビル風の中で
こっそり涙を流してる
もうみんな眠る前さ
あんなに機嫌悪そうに
ニュースペーパーは紫
舞い上がった緑の魔法ビン
言葉を空気の瓶に居れて
抱き合っていたい。君と。
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幸せ過ぎて、飛行機雲が隕石に見えた時。
僕は見とれて、ジュースを地面にこぼしたんだ。
パプリカ半島、目を閉じてそこへ行く。
すぐに着くんだ。疲れているから。
白い風が吹いて、
頬をかすめたら、
何もかもが変わる。
こげ茶色の灯台には、
水色のカモメたちが。
でも、何だろう。赤と緑のカタマリが空をたくさん覆ってる。
僕は立ち止まって、胸に右手をあて、
飛んで来た一粒に手をかざしてみたんだ。
大きさが変るだけで、また空に戻っていく。
灯台に続く道から、
くたびれた背広を着たおじいさん
僕の方に歩いてきた。
「5年ぶりじゃのう、まいったわい。」
「――の大発生じゃよ、この歳になれば感覚で分かる。」
「若者が生み、若者が消す。あんたさっき触れていたんだろう。それも分かる。」
「こういうヤツはなぁ、世界で片付けねばならん。わしもまぁ、よく闘った。」
「世界ったって、そんなこと、きっと誰も彼も。」
「どこまでが世界か?あんたの中が、世界じゃ。あんたの心が、いつも大切な所を占めておる。」
「あんたは精神世界で、何かをこぼしたんじゃろう」
「しかも、一人ぼっちだと思っとる。」
「若者よ、そいつと同じものを、どこかで誰かが抱えておる。」
「一つ一つと苦しみながら、お前との出会いを待っておる。」
聞いておくれ。
―簡単な魔法がある。
―いいかい、そいつは。
「あの時」の気持ちでいる事だよ。
「忘れた」って、
何にも偉くないだろう。
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車椅子の車輪。夢の中でまわり続けた。
何も知らなかった頃、無駄に大きく見えた。
イタチ好き、昔からで。
二匹じゃれあうの眺める。
砂漠地帯の広がりはいつも、速達郵便の山。
孤独のインフレが起きたせいで、方位を忘れて吹き荒れて。
出会いを砂に詰めた風は今、人の命を削るのが仕事だって言う。
ガラスで出来た飛行船はもう、ずっと昔から炎上してて
彫り込まれた細工が溶け出して、絵本の世界が膨張して。
昨日の夕焼けに映ったよ。今朝の朝焼けに滲んだんだ。
まるで潰れた廃屋みたいだよこの景色。こんな事柄の、潰れたカタマリ。
奇跡の瞬間があるとするなら、
それはきっと、ペンギンスライディングを決めた時の、
小便にいさんの飛び散る純粋。
感情はいつも
感情はいつも、
海の塩よりもからく、喉を焼いて通り抜けるんだ。
乾くな、笑ってくれ。
乾くな。
きっとすぐに、滲み出すんだ。
山吹色の感情が
川べりの水を眺める時の感覚になって
胸の中に染みるから。
出来事をみんな、平等に、
塗りつぶしてくれるんだ。
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たまに起きる「今やろう」って意志が
ずっと続くためにはね、
大きなプールが絶対的に必要なんだ。
少なくとも、今の僕にはね。
みんなで海岸沿いの暖かい街に行こうよ
そこには、大きな陽や見たこともない青空が無いとね、
とても、前世を語り合う事なんて出来ない。
出来ない。
親友とマットの浮き輪に浮かびながら
今までの人生を青空に溶かし込む
音楽の歴史を一回りする位
大きな音を流し続けて
楽しいバーベキューの準備すら、
記憶に無いくらい。
ちょうどきた流星群に。
酔った僕は、人の命を語る。
収入や、業種や、人間関係とか不況とか、
僕のハタラクジクは、プールを基準に出来てる。
必要なモノが決まって来るんだ。
とっておきの夢を話さなくちゃならないのは、
きっと、君が悲しそうだからだ。
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好きだよコットン倶楽部
綿は夢の素材だよ
わたわた、わたわた
悲しいよコットン倶楽部
生殺しの気分さ。実際。
わたわた、わたわた
嬉しいぜコットン倶楽部
僕を迎えてくれる。
協調性なんて要らない。
コットン倶楽部は、そんなバラバラなメンバー。
メンバー。募集中
わたわた。
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心のパジャマを脱がずに
体を綺麗に洗ったら
電信柱のかげを通り過ぎ
君の所へ行く
電信柱のかげは口の軽い男で、
影を残さない変わりに
スキップを続けろと言う
彼女はやめていなかったし
本当に僕も続けた方が良いのかも知れない
電信柱のかげはこつこつと、色々な出来事に情緒や風情を名付けている
スキップを勧めながら
電信柱のかげは、一度も悪さをした事がない
靴をぶっきらぼうに揃えて
僕は君の部屋に入っていく
花瓶の花を替えながら、君は好きな色の話をする
テーブルランプに透かされた美しい影は、
僕を曖昧な気持ちにさせる
かげの名付け札は決まって
立ち止まらなければ見えないところに置いてある
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今日僕は君に連絡をしなかった
高速道路に飛ぶ家畜の羽根を
雪と言ってはしゃぐ人は
真っ直ぐな気持ちを持ち
いつも何かに夢中でいる
昔良く通っていた道
出会った事が無い様な僕が、まだ生きている
来年僕は連絡するだろう
今日にまた出会えているなら