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タンバリンの部屋


[56] 乾くな、乾くな。
詩人:タンバリン [投票][得票][編集]



車椅子の車輪。夢の中でまわり続けた。



何も知らなかった頃、無駄に大きく見えた。




イタチ好き、昔からで。


二匹じゃれあうの眺める。



砂漠地帯の広がりはいつも、速達郵便の山。



孤独のインフレが起きたせいで、方位を忘れて吹き荒れて。



出会いを砂に詰めた風は今、人の命を削るのが仕事だって言う。




ガラスで出来た飛行船はもう、ずっと昔から炎上してて



彫り込まれた細工が溶け出して、絵本の世界が膨張して。


昨日の夕焼けに映ったよ。今朝の朝焼けに滲んだんだ。



まるで潰れた廃屋みたいだよこの景色。こんな事柄の、潰れたカタマリ。




奇跡の瞬間があるとするなら、


それはきっと、ペンギンスライディングを決めた時の、



小便にいさんの飛び散る純粋。


感情はいつも


感情はいつも、



海の塩よりもからく、喉を焼いて通り抜けるんだ。


乾くな、笑ってくれ。



乾くな。



きっとすぐに、滲み出すんだ。



山吹色の感情が


川べりの水を眺める時の感覚になって


胸の中に染みるから。



出来事をみんな、平等に、


塗りつぶしてくれるんだ。



2008/04/26 (Sat)

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