薄暗い雨の日の公園男が一人立っている黒いスーツに黒い傘を手にしたその男は、じっと前を見つめて何かを待っているようだ。しばらくして娘が一人やってきて、男に何かを手渡し去って行った娘もまた、黒いワンピースに黒い傘をさしていた。娘が去った後、男は渡された何かを握り締めて泣いているようだった雨足は次第に強まり、やがて男の姿は夜の闇に見えなくなっていった。
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