僕なら

キミと堕ちてあげられるから


僕なら

キミと逃げてあげられるから

どうしようもないほど

淋しかった

それは

言葉になんかしなくても

キミに触れればわかるから



強がる必要なんて

もうないよ

　　限られた時間は永すぎて
　
　　思わず忘れてしまいそうになるけれど

　　
　　ねぇどうか

　　キミだけは

　　ありふれた出逢いのひとつだと思わないで

過去が存在するこの世界で


キミを忘れて生きるなんて無理だ


記憶を作ってしまう人間の僕が


キミを忘れて生きるなんて無理だ



たとえそれが
キミの言う「僕の幸せ」だったとしても

指先で触れるようになぞったキミの名前

それだけで

幸せになれるひとがいることを忘れないでいて

行ったり来たりの毎日で
考えたってどうしようもない未来のことを
深刻に考えては憂鬱になる



明日の空の色さえわかんないんだよ
この世界は

信じてやまなかった


僕の両腕は

キミを抱きしめるためにあったんだと

思い留まらせる言葉ばかり捜して

どうしてあの時

一番にキミを抱き締めなかったんだろう

もう
放さなくちゃいけない
腕が
僕に残す温度

もう
離さなくちゃいけない
唇が
僕に残す桃色

もう
話さなくちゃいけない
言葉が
僕に残す後悔


もし
これが最期だってわかってたなら

絶対放さなかった
絶対離さなかった
絶対話さなかった

キミに夢を魅せるんじゃなくて
ほんの一瞬現実を紛らわすんじゃなくて

二人で生きたかった
どんなに眼を逸らしたくなるような
現実でも