詩人:璃星 | [投票][編集] |
絡めた指は解けなくて
求めた声はいつでも聴こえるの
目覚めたときにはどんなときも
キミが隣で寝息をたてている
無意識に抱き締めてくれる腕は
強すぎるくらいだけど
優しさしか感じられなくて
熱帯夜に
汗ばんだ体
離れないまま
永遠なんて要らなかった
奇跡なんて要らなかった
神様なんて要らなかった
夢ならまだいいよ
微睡んだ時間は幸せだから
でも
こんなのただの
架空の世界
詩人:璃星 | [投票][編集] |
まぁるくなって
キミを思った
冷たいフローリングの上で
蒼白い膝 抱えて
息が出来ないくらい
キミが欲しかった
閉じた瞼の裏側には
夢なんてなかったし
鳴り止まない目覚まし時計だけが
どうしようもないほどリアルだった
息が出来なくなるまで
キミを求めてたのに
詩人:璃星 | [投票][編集] |
引金に最初に指をかけたの
出来るだけ
何も感じてないように
そうすればキミは躊躇うことなく
わたしを
打ち抜くことが出来るから
これは優しさなんかじゃない
キミに傷つける役を押し付けた
わたしの策略だよ
詩人:璃星 | [投票][編集] |
水滴にまみれたグラスに
融けた氷の音が響いて
読み取れない眼の奥が
少し翳った気がした
幼いなんて理由は
ただの言い訳にしか過ぎなくて
「仕方がないの」と割り切るキミのほうが
よっぽど大人に観えた
このままキミと別れて
キミの手を離して
そうしたらキミは
どうなるんだろう
僕があげたピアスをはずし
似合うと言った口紅の色を変え
一緒に行った映画の半券をすべて捨て
そうしてまた違う誰かに出逢うのだろうか
それとも
これが最初で最後の恋だと
想い出にしがみついて
眠れぬ夜を過ごすのだろうか
すっかり融けた氷は
アイスコーヒーを少し薄めて
頼りない風になびいた
キミの髪とおんなじ色
永遠なんて言葉は
約束の言葉にしては不確かで
「幸せに」と告げたキミのほうが
リアルを受け入れている気がした
このままキミと別れて
キミの手を離して
そうしたら僕等は
どうなるんだろう
一緒に歩いた場所に二人で行くことはなく
ペアで買った指輪もはずさなければならない
合鍵はキミに返して
そうしてお互い記憶から薄れていくのだろうか
それとも
またいつか何処かでと
望み抱いて
街中にキミを探し続けるのだろうか
詩人:璃星 | [投票][編集] |
死んでもいいと思ったの
肩触れ合う距離ですら
なんだかもどかしくて
だって
時間が留まることなんてないから
このまま
キミと終われるなら
それでもいいかなぁなんて
急ぐ必要なんてないから
あの家で誰も待ってなんていないから
お願い
加速なんてしないで
アクセル踏むならその先に
灰色のアスファルトなんて要らない