ねぇ

この濡れた街は

視界の裏側なのかもしれない


擦れ違う誰もが
傘なんて差していないから

鬱蒼とした世界の真ん中で
ひらりひらり
ブルーとパープルで織り成す羽根は
夢というより幻想で

頭のどこかで
わかってた

これは現実じゃないって




なのに
そこから逃れようとは出来なくて


そこから
還ろうとは思えなかったの

キミで最期にしたい


これから起こる どんなことでも

どんなに
キミを


想えていたのか




終わったことで唯一
終わらせることのできない現実

抱き合って

溶け合って

境目なんてなくなればいい


何処からがキミで
何処からが僕のままなのか

わからなくなればいい

優しい毒を持つ貴女の

含み笑いに酔いそうになる

死んだら泣いてくれるのかしら

ばかばかしい嘘で惑わして


ねぇ
本当に

誰よりずっと
もっと
たくさん

僕は涙するんだろう

広い水槽の中

敷き詰められたビー玉の光が
水面に映って

わたしのグラデーションに溶けた
色彩の
織り成す幸せ



ねぇ

わたしは孤独を糧に泳いでいるけど

僕の始まりも
僕の終わりも

キミにとっては


ただの途中でしかなかっただけ

偏微分を容易にこなす
そのままの考え方で


キミを想ったって

終わりの始まりに

気付かぬ振りした


本当の嘘に

騙された振りした



それなのに
キミを嫌いになったなんて
嘘でも言えなかった