詩人:チェシャ猫 | [投票][編集] |
止まった世界に舞う花びらのように
ひと時だけでも美しく在れたなら・・・
始まりも終わりも曖昧な夜に
穢れた蝶は居場所を失くした
傷ついた羽を引きずりながら
まだ温もりを求めてる
何が変わり何を喪い何を手にしたのか
当てもなく彷徨う世界の中で
君だけは正しく揺れていて
存在さえも不確かな喧騒の中で
君だけは僕の居場所でいて・・・
愛しさも憎しみも交じり合う胸の中で
零れた涙は乾いていった
決して一つにはなれぬ二つの影が
狂おしい程に求め合う
何を求め何に惑い何を捧げたのか
心すらも売られてゆく世界の中で
君だけは僕の傍に居て
神にすら縋れぬ罪の意識に抱かれ
それでも君は艶やかに咲いていて・・・
狂った世界に舞う花びらのように
ひと時だけでも美しく在れたら
散りゆく悲しみの中で
この手だけは離さずにいられたら・・・
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散りゆく花びらは美しく
更けゆく夜は艶やかに
強く絡ませた指先で
涙よりも甘く濡らして・・・・
二人途切れぬ為の鎖を携えて
誰も居ない世界へと連れ去ってと
怯えた声で貴方は囁いた
この手を握り締めるために失くしたものは何か
零してきた記憶で彩られた瞳を
傷ついた瞳で見つめてみる・・・
また一つ諦めた祈りを
確かめ合うように両手で触れて
いっそ壊せばすべてが終わると
泣きながら微笑ってみた
散りゆく貴方
色彩を失くして落ちてゆく世界
強く重ねた唇で
痛みの無いように終わりをください
二人途切れぬ為の鎖で
誰も居ない世界へ
繋いだ手を離さぬように・・・
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貴方の証を刻んで
決して途切れぬように・・・
積み重なる時間が貴方の想いを奪っても
私枯れること無く愛し続けるわ
愛情なんてくれなくていいから
抱きしめたその手で体温を奪って
深く深く
貴方と一つになった実感を頂戴
濡れた瞳に私を宿し
口先だけでいいわ愛してると囁いて・・・
宵に舞う蝶々に貴方魅せられても
私知らぬ振りして愛し続けるわ
すがりつく私を突き放してもいい
愛しさが憎しみに変わる瞬間を感じさせて
甘く甘く
嘘で固めた愛を頂戴
私静かに眠りについたなら
そのまま息の根を止めて・・・
最後に貴方の証を刻んで
一人の世界も怖くないように・・・・
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拭えないの
貴方が存在していた跡が
甘く残る香りの奥に映る
あの日の瞳で私を抱きしめて・・・・
いっそ狂ってしまえれば楽なのと
求めても得られぬものに縋り付いて
幼さ消えぬ身体に痛みを刻む
蝕まれていく記憶の行き先はどこ?
辿り着いたその場所に貴方が眠っていればいいのに
終わらない焦がれに終わりを与えて
道を失った私に生きる意味を頂戴
咲いていつか枯れていくのなら
堕ちていくこの瞬間に美しさを見出して・・・
拭えないの
貴方が纏っていた香りが
冷たく沈んでいったあの日のように
優しく私を壊して・・・
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誰が求めればそれは訪れる
世界が求めたその瞬間から
新たな痛みは生まれて堕ちていくのに・・・。
手にしたものに人は満足できず
両手を広げて神に祈る
自分が持っているものには気づかずに
誰かを妬んで手を伸ばす
ねえ 終わりの無い世界に生まれついたこの身では
幸せを求めてはいけないの?
それを求めたその時から
誰かを傷つけなければいけないの?
重ねた手に在った確かな温もりは
世界の中心に座り込む腐った大人に奪われた
愛を求めたその幼い瞳に
差し伸べる手は与えられなかった
ほら狂った世界に映る花弁は
色を亡くして散っていくけれど
今も紅色に咲いて散る小さな命は
とても綺麗に見えるから
傷つき傷つけられて狂っていく世界に
祈っても届かぬことを知っていても
今を生きる一つ一つの花に美しさを見出して
君は小さなその手を重ね合わせた
神様僕は世界を救う力はいらないけれど
せめて繋いだその小さな手に
笑顔を与えられる力をくれないか
瞬きする間に消えていく命を
悲しめる優しさをくれないか
繋いだ小さな手が一つずつ重なって
いつの日か世界に幸せの輪が煌くように・・・
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使うことも無いままに
とっくに抜け落ちた名ばかりの牙を
お前は誰に振りかざす
噛み付く勇気すら持てぬままに
口だけの理論を並べ立て
水溜りに揺れるは弱虫な素顔
飾り立ててみても馴染むことは無く
臆病な自尊心に命じられ
掲げた右足を深く踏み入れた
この恐れに終わりは在るのか
吠えても吼えても敵は見えず
焦りと不安だけが降り積もる
じっとしていたなら震えて消えてしまいそうで
見えない誰かに牙を剥く
傷つくことを躊躇う身に
赤く染まることから逃げる牙に
いつか終わりは訪れよう
遠吠え已まぬ悲しき負け犬に
せめてもの優しさを・・・
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いつから目的を見失った??
本当の意味さえ持たぬままに
必死に我が身を擁護する
貴方が掲げていたものは何なのか
折れた旗に問いかける・・・
真実も嘘も曖昧なこの世界で
何を信じるべきかも分からない
答えになるものは手に触れず
苛立ちだけを拾っていく
誰かが隠した世界の本当の姿を
僕だけに見せてくれないか
生きる意味さえ見当たらないのなら
せめて死ぬ意味を見つけたい・・・
どれだけ繰り返しても代わり映えの無い日常
影で囁く声だけが木霊して耳障りな音色を奏でる
美しさを求めることは忘れたか??
足元だけを見つめて痛みを重ねていく
誰かが忘れたこの世界の真実の佇まいを
僕だけに教えてくれないか??
美しささえ忘れたならば
醜さだけは残したい
生きる意味さえ見出せぬのなら
せめて死んで理由になりたい・・・
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神様
死んでいく僕に意味を与えて下さい
泣きながら眠るのに飽きた頃に
終わりの扉を叩いて下さい
もう少しだけと祈り続けたこの世界で
この目は一体何を見出せたのか
貴方を抱くことからすら逃げ惑うこの腕で
どれだけのものを掻き集められたというのか
微かな声にさえ怯える夜に
世界の隅で貴方は微笑った
隠したナイフを翳して僕は
見えない誰かに立ち向かう
神様
この腐った世界で
天使の羽なんか見えなくていい
悪魔の翼を与えて下さい
貴方が堕とした美しき罪人に魅入られて
この世界は狂っていくから
どうか終わりの扉を叩いてください
もう足音がそこまできているから
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誰のことも愛せはしないと
独りうなだれていた小さな肩に
貴方運命を落としていった
ねえずっと閉ざされていたこの心
開くだけ開いておいて受け止めてはくれないの??
ねえずっと失くしていたこの気持ちの
続きを感じさせてはくれないの??
求めても求めても訪れなかった孤独は
背を向けようと思った瞬間から絡み付いて離れない
独りの怖さを教えられた弱虫な僕の腕が
貴方求めて手探り繰り返す・・・
いつからか已まぬ涙は
零れる場所を失って彷徨い続け
孤独にかき消されそうな小さな声で
貴方の名を呼んでいる
ねえずっと求めていた安らぎを
僕にくれる天使は貴方ではなかったの??
ねえ二度と抱いてはくれぬなら
僕も連れて逝ってはくれないの??
独りの怖さを知った臆病な肩は
もう二度と引き返すことすら叶わぬ
求めて 求めて それでも叶わぬ願いなら
せめて祈ったこの手に勇気を与えて
ねえ色褪せたこの世界を抜けて
ねえ貴方の元へ逝ける勇気を・・・
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気が付けばまた欠伸する
退屈な日常に今日もため息
固めた拳を振るってみても
空回りして息切らす
出来ないことに夢を抱き
羽の折れた鳥が無理にもがいてみても
籠の中からは出られない
壊れてどこかに逝きそうな心を宥める
安物の精神安定剤も
一日三錠ぽっちじゃ頭痛の種になる
子供の頃からはめてた腕時計
気付けば針は止まったまま
それでも時間は止まらない
繰り返す自己嫌悪
付き合いきれないから無視することに決めた
無視出来ない程色っぽいあの子に
今夜ちっぽけな人生を賭けてみる
繰り返す毎日
くだらないことだらけのちっぽけな人生
それでも俺がここに居る
独りじゃ人の心なんか動かせないが
それでも俺はここに居る
俺の言葉なんか届かないが
それでも君はそこに居る
広いのか狭いのか分からないこの地球(ホシ)で
一生手を繋ぐこともないけれど
それでも君がそこにいる
狂ってしまいそうなちっぽけな心を宥める
君から貰った笑顔も
思い描くだけじゃ病気の元になる
繰り返す毎日
腰使いの艶やかな彼女に
ちっぽけな人生を毎晩賭けているくだらない存在でも
それでも俺はここに居る
それでも何処かに君が居る