詩人:チェシャ猫 | [投票][編集] |
手を繋ごう
繋いだその結び目から世界が広がって
笑顔が生まれるから・・・
哀しみ堕ちていくだけの争いが
意味さえ知らずに続いていく
誰もが武器を棄てる勇気を持たぬままに
赤い雨は降り注ぐ
助けてくれと誰に祈る??
微笑むだけで手を差し伸べぬ神に縋っても
希望はこの手から零れ落ちてゆく
世界が見捨てた場所に佇み
涙の数を数えている
誰かこの命を終わらせてくれないか??
自ら絶つ勇気を持たぬ小さな胸に
優しい最後をくれないか
簡単に壊れてしまった何かを
元に戻す為の時間は見えないから
せめて今この瞬間にも確かな
君の温もりに触れさせてくれないか??
手を繋ごう
繋いだその手から優しさが溢れて
いつか命が生まれるから・・・
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何の為に僕は生まれたのか
僕に生きている意味なんて無い・・・。。
生まれつきの不細工な顔に黒縁眼鏡
短い手足を必死に動かし今日まで生きてきた
周りに笑われ踏み潰されても
小さな誇りを胸に抱き・・・
いつから増え始めたのか
気付けば僕は傷だらけ
いつかヒーローになることを夢見ていた僕に
与えられたのはピエロの仮面
誰しもが生まれてきたことに意味を持つのなら
僕の存在する理由を教えてくれ
誰もが嫌うこの身の持つ役割とは
溜まった不満のゴミ箱か・・・・
目立つことを避け変わることを諦めて
生きている意味が無いと呟いたときに
僕は存在を失ったのだろう
人の目を避け生きていくことに目を背けて
自分の価値を信じなくなったときに
僕は人間を諦めたのだろう
ねえ僕は何故生まれてきたの・・・
生まれつきの不細工な顔に微笑みを浮かべて
短い手足を動かすことを止めた
周りに笑われ踏み潰されても
折れぬ誇りを見付けたときに
僕は僕であることを知るのだろう
僕は人間であることに気付くのだろう・・・
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どこかでまた涙の落ちる音が聞こえました
そっと誰かが取り出したハンカチは
差し出される前に
新しい悲しみと共に消えていきました・・・。。
どれ程の悲しみが
一秒の今に生まれて埋もれていくのか
どれ程の優しい腕が
差し伸べられて また代わりに傷ついていくのか
数え切れない涙を数えようとするよりも
目に映る一粒を拭ってあげたいのです。。
私に今何が出来るでしょう
止まずに流れていく涙を請け負えますか??
涙が落ちない世界を造れますか・・・??
どこかでまた涙の落ちる音が聞こえました
哀しみに覆われたその音は
何故かとても美しく響きました
私にも貴方にも涙が落ちるのは止められないけれど
せめて私が涙の落ちる場所を作りましょう
そこで気の済むまで泣いたのならば
次は貴方が
誰かの涙の落ちる場所になりましょう・・・。。
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もういいかーい??
まーだだよー・・・。。
隠れるのが得意な君は
今もまだ何処かで僕を待っているの??
早く帰らなくちゃ
本当は弱虫の君と
いつの間にかもう夕飯の時間だ・・・。。
早く出ておいで ずるいよ遠くに隠れているんだろう
狭いとこや暗いところは大っ嫌いなくせに
すぐ意地をはってそういうところに隠れるんだ
いい加減にして出ておいで
怒られちゃうから先に帰るよ・・・。。
もういーかーい??
もういーよー・・・。。
隠れるのが得意だった君は
今も探し出されるのを信じて待っているの??
早く見つけ出さなくちゃ
本当は恐がりな君を
いつの間にかもう
大人になってしまったけれど・・・。。
早く出ておいで 僕の負けでいいからさ
狭くて暗いところの大嫌いな君は
放っておくとまた一人で泣き出してしまう
この手を信じて出ておいて
僕はもう君を置いて帰ったりはしない・・・
もういいかーい??
・・・・・・・。。
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一秒一秒小さく区切られていく世界の中で
迷える子羊は何を目指すのだろう
信じていたものが御伽噺だったと知ったとき
彼らはまた一つ大人に近付いた・・・・
常識とルールを頭に詰め込むたびに
夢とか希望が落ちてった
諦めることを覚えた瞬間
僕の周りには柵が見えた
社会という名の檻に閉じ込められて
いつからか彼らは飼い馴らされてたんだ
目の前にぶら下げられた自由という餌に食いつこうと
知らない間に走らされてんだ
迷える子羊よこの声が届くのなら
柵を蹴り壊して胸を張れ
一秒一秒消えていく美しい夢を必死に抱え
迷える子羊は眠りを求めるのだろう
地図に無い世界から目を背けたとき
彼らは全てを諦めた・・・・
数学とマナーを頭に押し込むたびに
笑顔と優しさが零れていった
自分は大人と認めた瞬間
僕は柵の中の暮らしに満足していた
社会という名の牢屋に監禁されて
いつの間にか僕は飼われることに馴れていたんだ
目の前に差し出される大人の理屈と権利を食べ
知らない間にぶくぶくと太っていたんだ
迷える子羊よまだ足が動くなら
柵を飛び越えて声を張れ
目の前にぶら下げられた餌に唾吐いて
飼い馴らされた日常にはばいばい言って
振り返らずに走り出せ
迷える子羊たちよ
世界は夢見るお前達の為に有る
迷える子羊たちよ
今はただ静かに眠れ・・・
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胸を張ってむくれ顔してんだ
「あたしは独り、群れるのは嫌いなの。」
差し伸べられる手を振り払い
堂々と自由を振りかざしてるんだ
ツンとすました横顔に誇りを宿し
見る人全てを惹きつけてんだ
街行く人々の視線も何処吹く風で
気の向くままに尻尾を振っている
美しき野良猫はなにものも縛らず縛られず歩いてる
気高き誇りを相棒に
あんたを飼い馴らせるものなど
何処にもいなかったはずだろう
「あたしがじゃれつくのは自由だけ」
何時からかむくれ顔に影が影が差し始めてんだ
「あたしは独り、あたしは・・・独り・・・」
差し伸べられる手に心惹かれながらも
今まで信じ続けた誇りだけで胸を張っている
ある日ツンと澄ました横顔に
誰よりも温かい手が差し伸べられたんだ
「下ばっかり向いていても世界の色は変わらない。
恐がらずに上を向いてごらん」
美しき野良猫は自分を見失った
貫いてきた自由に迷いを持った
初めて寄りかかる場所を見つけた猫は
全てを委ねて眠りについた・・・
「ここがあたしの居場所・・・」
幸せな時間は少しずつ形を変え
温かかった筈の手が冷たい鎖になってたんだ
首輪で繋がれ鞭で打たれ
野良猫はその目に光を失ったんだ
繰り返す痛みに怯え
一度知ってしまった人の温もりに縋り
いつの間にか滲んで世界が見えなくなっていたんだ
本当の色すらも分からなくなって
美しき野良猫は可愛そうな飼い猫に成り果てた
起き上がれ鏡を見ろ あんたに首輪は似合わない
思い出せあんたは野良猫
自由気ままな気高き猫
あんたを飼い馴らせるものなど
何処にも無かった筈だろう
美しき猫は全てを思い出した
「あたしは独り、馴れ合いは嫌いなの」
温かい手よ あなたはあたしを見誤った
あたしの美しさは自由気ままな野良猫気質
そうよ あたしは気高き野良猫
人々があの美しき野良猫を忘れ去ったとしても
きっと今もどこかで
気の向くままに尻尾を振っているだろう
気高く美しい彼女を飼い馴らせるものなど
何処にもいない筈だろう・・・
psいつまでも気高く美しい貴方に捧げます。
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幾千の夜に揺られ
何時まで終わらぬ夢を彷徨うのだろう
叫んでも届かぬ孤独を抱いて
僕は一握の灰になる・・・
貴方が消え去った夜に
僕は孤独を閉じ込めた
知らぬ顔して朝を迎え
感情の無い瞳で空を仰いだ
誰か僕を見つけてくれないか
本当の僕に気付いて抱き締めてくれないか
閉じ込めた感情の鍵が壊れたとき
涙はもう止まろうとしないんだ
無理して作り上げた表情の無い仮面
孤独に怯える素顔を覆う為・・・
誰か寂しがりの僕を壊して
目を背けていた孤独に向き合ってしまったとき
叫びはもう止もうとしないんだ
幾千の夜に抱かれ
何時まで独りの夢を噛み締めるのだろう
誰もが仮面で暮らす硝子の星で
僕は一握の灰になる
孤独に怯える僕の存在に気付いて欲しくて
命を燃やして灰になる
誰か僕に気付いて
誰も振り向かない硝子の星で
僕は一握の灰になる
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表情すら失くして堕ちてゆく孤独な夜の中
彷徨い歩いて見付けた僕の居場所を
汚れた両手で強く抱きしめている
無くさぬ様に 失くさぬ様に・・・
切り売りされていく愛に絡み取られ
何時からか表情は失った
乾いた心にも咲く花を求め
感情の無い嘘を繰り返す
夜に舞う極彩色の蝶達が口々に謳うのさ
「貴方のことは私が一番分かっている」
愛の無い愛の言葉なら囁いてあげるから
・・・ねえ誰か塗り固めた仮面の下の涙を拭って
息遣いすら薄れて溶けてゆく体温の傍
失って気付いたたった一つの居場所を
零れた涙で濡らし続けている
忘れぬ様に 忘れられぬ様に・・・
刻み込んで
僕が貴方の傍にいた証を
思い出の中だけでも二度と途切れはせぬように
咲き乱れて
せめて貴方を感じた瞬間だけは・・・
散り行くが故の美しさと知っていても
嘘すら愛の輪郭であると感じさせて
夜を飾る極彩色の蝶達は各々に求めるのさ
「貴方と一つになりたい」
愛の無い愛の行為になら付き合ってあげるから
・・・ねえ誰か外せなくなった仮面の下の涙に気付いて
愛の無い愛の言葉なら囁いてあげるから
・・・ねえ誰か仮面の下の僕を愛して
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ねえ誰か僕を照らしていて。
他人の光でしか輝けない僕が美しく在る為に・・・。
乾いて穴だらけになった心は
満ちて欠けては消えてゆく
消え行くが故の美しさなどいらない
誰かこの身を繋ぎ止めてはくれないか??
貴方が何処まで行っても僕は見守っているから
せめて夜の帳が消え行くまでは
すぐ傍に僕を感じていて
例えどれだけ手を伸ばしてみても
貴方が僕に 僕が貴方に触れることは出来ないけれど
透き通った水の満ちたグラスを翳せば
ねえすぐ傍に行けるから
誰か・・・・僕を照らしていて。
他人の光に頼るしか輝く術のない僕が美しく在る為に
ねえ誰か僕の存在に気付いていて
愛でられることでしか存在を確認出来ない僕が
美しく在る為に・・・・。
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このまま時と共に貴方の輪郭が消えていくのならば
忘れないように絵を描こう
思い出の中を生きる君の思い出が
美しき表情を変えないように・・・・
未だ汚れを知らぬ真四角の世界
色付くことと汚れぬことを半分ずつにして祈りながら
閉じ込めるのは思い出か哀しみか
切り取られた真っ白な舞台で
僕の右手は神になる
眠りに就きたい
濡れた床に頬をつけて全てを夢に委ねたままに
貴方の微笑った顔を怒った顔を悲しい横顔を・・・
残したいのは思い出ではなく確かな存在と温もり
神様が僕から奪った貴方の代わりに
たった一つ与えたものがこの右手なら
忘れることで拭おうとした涙を
ぼやけて薄れていく輪郭をこの世界に留めよう
未だ汚れを知らぬ真四角の世界
切り取られた真っ白な舞台で
僕の右手は神になる
忘れないように絵を描こう・・・
切り取られた真っ白な思い出と共に
貴方の輪郭は永遠になる