| 詩人:チェシャ猫 | [投票][編集] |
気付けば差し出すそのの掌には
小さな雪の欠片が舞い落ちて
あわてて握りしめた手
開いたそのときには君はいなくて・・・。。
あの頃の二人ただ肩寄せ合って
降り積もる雪の中キスをした・・・
あの時の二人はもう遠い季節の二人で
白い雪と暗闇は
あの頃の二人の輪郭そっとぼかしていく
もし今この白い景色の向こうに
こことは違う時間の流れる国があったとして・・・
そこは何でも願いが叶う場所だとしても
多分僕は何も望むものなんてなくて
それでも一つだけ
涙の色を教えて・・・。。
僕等
魔法のホウキに乗って空を飛び
月のイスに腰掛けてこの雪見下ろしたなら・・・
きっとそれは幸せの色で
僕らの中にまたそっと舞い散るだろう・・・
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あの日突然降り出した雨に
僕らは傘も差さずにはしゃいでた
靴の中までずぶ寝れになって
つないだ手だけ あったかかった
君の隣にいるその瞬間が愛おしくて
思わずつぶやいた少し照れくさいセリフは
雨の音にかき消されて
少しだけほっとしていた僕がいた
あの瞬間の僕らの思いは
今でも色褪せることなく
アルバムの中で微笑んでいて
もうどんなに手を伸ばしたって届かないぬくもりも
耳を澄ませたって聞こえない声も
あの一番星の後ろに隠れているみたいだ。。
そうして雨上がりに
雲の切れ間から差し込んできたオレンジ色を
僕は内緒でスケッチブックに写してて・・・。。
だからきっとあの色を忘れないよ
空と雨と・・・それから君の笑顔も。。
ずっと・・・ずっと・・・。。
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夕暮れ時が近づく黄昏の公園で
いつも君と二人ブランコこいでたよね
どっちが高くまでこげるかなんて
毎日飽きずに競ってた。。
僕たち以外誰もいなくなった公園で
シーソーの音は驚くほどに澄み渡り
次々変わる景色の中で
変わらない君の笑顔見つけた・・・
茜色の千切れ雲達は
一番星にせかされるように流れてく
君の眼に映る僕も
ほんのり茜色に染まってた
色褪せたブランコも
今はもう誰も乗らないシーソーも
あの日とおんなじ色の中で
あの日とおんなじ雲を見つめてる
そうして手を伸ばしても届かなくなった僕らの間にも
あの日の夕日は
おんなじように差し込んでいる・・・
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例えばあの日に戻れるとして
また君と手をつなげたとしても
何も知らないあの日の僕は
またその手を離してしまうのだろう
夕暮れが滲んでいく帰り道
頬を流れ落ちそうな涙をこらえて
笑顔で君に背を向けた
あの道をふと思い出してる
まだうっすらと紫残る空に
あわてたように輝く立待月は
今でも僕をせかすように・・・
霞み行く空 千切れ行く雲
そして暮れ行く並木道
重ねた思い出の分だけ
涙はこぼれるけれど
見上げた空にはほら
二人の影が並んで揺れている。。
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君と僕とあいつと
いつだっていつも一緒で
これからもずっとそうだって思ってた
いつしか僕ら大人になり
三人のうちの一人は女の子だってことにも
気づき始めてた
日が暮れるまで走り回ったあの道には
まだ僕らの落書きが残ってて・・・
ずっとこのままで・・・
なんて思ってたのは僕だけなのかな
君への思い
あいつも無理して忘れようとしてたのかな
もしも今どっかの誰かの気まぐれで
僕らあの日に戻れたとしても
何も知らずに大人になって
また僕は君の手を離してしまうのだろう
悲しくないよ
なんて言葉は嘘になるけど
ホントは少しだけうれしいんだ
君とあいつが幸せなら
それでもいいか
なんて柄にもなく考えた
夏が来たらまた
三人川の字になって目を閉じて
君と僕とあいつと月の椅子に腰掛けて
八月の花火見下ろそう。。
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小さい頃 いつも布団の中で夢見てたこと
自分は本当は特別な存在で
いつか勇者として
世界を守るために魔王と戦うのだと
妖精の誘いに導かれ
不思議な国へと旅立つのだと。。
あれから10年
僕の周りはいたって平和で
当たり前の毎日が当たり前のように続いている
魔王と戦うどころか友達と喧嘩することすらなく
僕の一日は流れていく
そんな白黒だった僕の世界は
君に出会って少しづつ色づき始めてたんだ
薄っぺらだった毎日は
もうぱんぱんに膨れ上がっているんだ
今思えば 君と出会ったあの道は
茜がかるあの時間にだけ開く
不思議な国への入り口で
君は僕を誘いに来た妖精だったのかな??
言葉だけじゃ足りないけど
君と出会って確かななにかが生まれたよ
錆び付いていた歯車が動き始めたよ
君は君の国へと帰って
日に日に大人になっていく僕に
もう妖精は見えないけれど
君のことを忘れないよ
君と過ごした短いあの夏を
僕は忘れない・・・
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古いアルバムそっとめくり
黄昏の色の中
少しだけ頬を濡らす
めくるたびに漂う懐かしい匂いと君の微笑みは
少しだけセピアに色褪せて
それでもまだ
未来描いて手をつないでる
あの日あの道も
確かこんな風に茜色に染まっていて
愛おしすぎる時間も
いつしか当たり前のように思ってたんだね
アルバムの中の僕たちは
少し照れくさい顔して僕を見つめてる
あの頃の君に
僕は今どんな風に映っているのかな。。
数え切れないくらいの季節を背負って
僕たちは繋いだ手をそっと離した
振り向くことのない君の背中も
なぜだかとってもキレイに見えたんだ・・・
少しだけ目をつぶって
あの日の君とおしゃべりしたなら
窓からそっと夕日を背景にして写真を撮ろう
何年か後の僕が
思わず微笑むような
オレンジ色の笑顔をして・・・
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誰かが描いた宝の地図なんて
両手でそっと破り捨てて
僕らはただ
形にできない何かに手を伸ばす。。
幼い頃の僕らには
目に映るすべてが愛おしくて
泥だらけになってもまだ
君の背中を追っていた
先行く君の横顔は
オレンジ色に染まって 少し大人びて
置いていかれないようにぎゅっと・・・
君の服の裾 握り締めた
広告の裏にクレヨンで
「好きだよ」だなんて描いた紙ヒコーキは
星空の中へと消えていったみたいだ
君に届けと願いを乗せて
僕には時計の針は止められなかったみたいで
いつの間にか君の手を離してた
この手にはただ宝の地図の欠片だけが残り
この心だけ まだ君の背中を追っていた
あの日の紙ヒコーキは君に届いたのかな・・・
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秋の夕べ
窓から見上げる空は
どこか切ないくらいに澄み渡り
びっくりするくらい素直に
君の言葉 受け止められたんだ。。
電話も久しぶりだね
付き合ってすぐの頃のよう
毎日こんな風に窓から星眺めて
君からの電話待ち続けてた
今も僕はあの日の歌を口ずさんでるよ
電話の向こうで君が
何気なく口ずさんでたあの歌を
電話しすぎて
二人して怒られたあの夜も
あげてすぐに失くしたあの指輪も
気づけば君の声ばっかが
僕の思い出を包んでいて。。
この電話を切ったら多分
もう二度と聞くことはないその声を
零れないように両手でぎゅっと抱きしめた
だから星屑の夜に揺られて僕は祈る
君にきっと
この歌が届くようにと
そして君の声が
いつまでも僕の中に響くようにと
星に願いを・・・・
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初めて君を誘ったこの部屋は
あの日と何も変わらないまま
ただ月の光が滑り込んでいて
知らず知らずのうちに口ずさんでいる歌は
星の瞬きのリズムにのって・・・
あの夜なにもできなかったのは
ただ君のすべてが愛おしすぎて
君の薫りに包まれたあの部屋で君を抱きしめたら
何かが終わってしまうんじゃないかって
切ないくらいに怖かったんだ。。
あれから少しだけぎこちなくなった関係も
笑って許してくれた君の横顔も
そのすべてやっと 両手で受け止められたから・・・
今夜君に愛を誓う
星のささやきのそそのかされて
君をそっと抱きしめる
形のない何かは
月にてらされて影ができ
僕らをやさしく見つめるだろう
例え何か失くすとしても
代わりに何か見つけるとしても
その全て零れてしまわないように
この手で握りしめるから
だから・・・love me tonight