詩人:チェシャ猫 | [投票][編集] |
少しずつ色付きはじめた街の片隅で
貴方の名前を呼んでみました
白く曇ったその声は
寂しく響いて消えました・・・。。
僕は 人より少しだけ
ほんの少しだけ強くなれればそれでよかった。。
震える貴方を抱きしめられるだけ
たったそれだけ優しくなれればそれでよかった。。
差し出す両手に寂しさが積もる夜には
誰か彼女を抱きしめてあげて
何よりも一人が嫌いだった貴方の小さな肩が
微笑みを失くしてしまわないように・・・。。
あの日から動かなくなった時計の針を回して
貴方の名前を叫んでみました
枯れかけたその声は
寂しく響いて消えました・・・。。
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「ねぇ待ってよ。 僕を置いていかないで。
もっと強くなるよ もう泣いたりしないよ
お願い もう一度微笑って・・・。。」
僕の背中にあるハネは
一人で飛び立つにはまだ小さすぎたみたい
どんなに強く地面を蹴ってみても
キミの背中が見えないよ。。
眠れない夜にキミを呼んだその声は
少しだけ白く濁ってソラへと消えてった
目を閉じればそこにいるキミが
また微笑ってくれるなら
僕はもうハネなんかいらないよ
この足でキミを探して走り出すから。。
「ねぇ キミは今も微笑っている??
僕はもう 一人でも眠れるよ
だから
もう一度だけこっちを向いて・・・。。」
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星もろくに見えないこの街で
貴方の笑顔は何よりキレイに見えました
足早に歩き去る町並みの中で
貴方の声だけは聞こえていました・・・。。
強く抱きしめたら壊れてしまいそうなその肩を
やさしく包み込む方法を僕は知りませんでした
見つめたなら涙を流してしまいそうなその瞳から
僕は目を逸らすことしかできませんでした。。
僕は願うことしかできなかった
何も変わりはしないのに・・・。。
雪も降らないこの街で
貴方の声は 優しく僕に降り積もりました
灯ってはすぐに消えてゆく明かりの中で
貴方の笑顔だけ 消えずにまだ残っています。。
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冷たく震えるキミの手をそっと握るのは
ちょっとかっこよすぎる気がしたから
少し距離縮めるだけで我慢した・・・。。
ソラを見上げて大きく息を吸い込んでみると
少しだけ冬の匂いがした
吐く息の白さに
見とれて微笑んでいたキミは
何故だか少し大人びて見えた。。
手を広げれば触れる世界の中で
僕はキミを抱きしめられなかった
どんなに手を伸ばしても届かない星に
キミは必死に手を伸ばしてた
だから僕も
もう少しだけ勇気出してみるよ
まだ頼りないかもしれないけれど
せめてキミを抱きしめられるように
せめてその手温められるように・・・。。
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「ねぇお父ちゃん。。
クリスマスになったらサンタのおじちゃんが
おっきなソリに乗ってやってきて、
プレゼントくれるって本当??」
「ああ、本当だよ。。
いい子にしてたらきっと・・・。。」
街中に鐘の音が鳴り響く夜
世界中の夢を背負って飛ぶ貴方の姿は
誰より大きく見えました
重ねた時間が信じることを忘れても
それが大人になることだよと
貴方は微笑んでいました。。
街中が騒がしく色付く夜
枕元に大きめの手袋を置いておきました
他人(ヒト)の夢まで引き受けられるほど
僕の背中は大きくはないけれど
雪の降る街を走る貴方が
せめてその冷えた手を温められるように
・・・今でも貴方を信じています
例え一人目覚めた枕元に
プレゼントはなくても・・・。。
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僕らは皆 小さな痛みを心に抱いて生まれてきた
世界中で零れる涙の音を
無意識のうちに拾い集めて・・・。。
僕の痛みは
大人になれば消えてゆくかもしれないけれど
零れる涙は変わらない
ソラに祈った。。
僕には何もできないかもしれないけれど
何もしない自分にだけは なりたくなかった
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君を守るためには
この手に剣を握るしかなかった
傷だらけのその腕では
もう君は抱けなかった・・・。。
用意された二つの道を突きつけられ
僕は盾を捨てて剣を握った
守るだけじゃなくて
君を閉じ込めようとする暗闇を
この手で切り裂きたかったから
・・・いつからかその刃は人に向けられていた
ただ君を守れることができたなら
それだけでよかったのに・・・。。
傷つけて 傷つけられて
ぼろぼろになったこの腕では
もう君を抱けなかった・・・。。
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冷たい手に吹きかける息は
いつの間にか冬の色になっていた
見上げたソラからは
白く滲んだ雪の破片が舞い降りてきた
ふと僕は この手に掴んでみたくなった
今この場所よりもソラに近い場所で
誰よりもソラに近い場所で
古びた鉄の階段2段飛ばしで上って
ビルの屋上から手を伸ばした
手のひらに降りた雪は
さっきまでの場所と変わること無く
小さく溶けて消えてった・・・。。
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嘘と悲しみに埋もれたこの街で
僕らは祈りながら撃鉄を起こす
その銃口が誰に向けられるかは知らないまま・・・
いつから僕らは求めてた?
信じることさえ失くしたこの世界で
歩き続けるしかないと知っていた
少しずつ増えてゆく傷と愛想笑いを
幼さ残る背中に抱いて。。
辿り着くことの無い道の先に手を伸ばし
僕らは泣きながら引き金を引く
いつかこの銃口が
愛するものに向けられていても・・・。。
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さようなら
またきっと会えるから
微笑って君に手を振るよ
涙は夜にゆだねて・・・。。
色移ろい続けるこの世界で
一つだけ誓った確かな想い
君を守り抜ける程強くはなれなかったけれど
それでも傍にいたかった。。
目を離せば消えてしまいそうな君を
うまく抱きしめることはできなかった
繋がり合えた夜さえもう
忘れてしまいそう。。
ありがとう
またきっと会えるから
微笑って君に手を振るよ
振り返る君に 涙が零れても・・・。。