冷たい手に吹きかける息は いつの間にか冬の色になっていた 見上げたソラからは 白く滲んだ雪の破片が舞い降りてきた ふと僕は この手に掴んでみたくなった 今この場所よりもソラに近い場所で 誰よりもソラに近い場所で 古びた鉄の階段2段飛ばしで上って ビルの屋上から手を伸ばした 手のひらに降りた雪は さっきまでの場所と変わること無く 小さく溶けて消えてった・・・。。
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