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チェシャ猫の部屋


[153] 狂った世界に舞う花びらのように
詩人:チェシャ猫 [投票][編集]

止まった世界に舞う花びらのように
ひと時だけでも美しく在れたなら・・・


始まりも終わりも曖昧な夜に
穢れた蝶は居場所を失くした
傷ついた羽を引きずりながら
まだ温もりを求めてる


何が変わり何を喪い何を手にしたのか
当てもなく彷徨う世界の中で
君だけは正しく揺れていて
存在さえも不確かな喧騒の中で
君だけは僕の居場所でいて・・・


愛しさも憎しみも交じり合う胸の中で
零れた涙は乾いていった
決して一つにはなれぬ二つの影が
狂おしい程に求め合う


何を求め何に惑い何を捧げたのか
心すらも売られてゆく世界の中で
君だけは僕の傍に居て
神にすら縋れぬ罪の意識に抱かれ
それでも君は艶やかに咲いていて・・・


狂った世界に舞う花びらのように
ひと時だけでも美しく在れたら

散りゆく悲しみの中で
この手だけは離さずにいられたら・・・



2006/02/19 (Sun)

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