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剛田奇作の部屋  〜 投稿順表示 〜


[331] パスワード
詩人:剛田奇作 [投票][編集]

ひどく うっかりしていた

思いだせない


パスワード


そう しかし これも運命

僕から離れて行きたかったのだ 確か、に


大事な最期のフレーズが

思い出せない


フレーズが まるで 色や図形や絵画みたいなものになってしまい


僕の身体の外側を

延々


まわっている


そう 確かに 思い出せない


二度と触れることはない温度


あの匂い かたち


なまめかしい
うっとりするような


二度と触れる事はないだろう


彼らは 自らの意志で


僕から 去ったのだから





2010/02/06 (Sat)

[332] 麻薬
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ゾンビみたいに


フェンスごしに輝くラスベガスを見ている


モルモットみたいに
延々ぐるぐるまわりながら


かつて覚えたあの麻薬の味


堕ちる、一瞬の


悦楽と絶望に挟まれる感覚が忘れられず


恋を覚えて


ゾンビになった


君を覚えて


人間になった




2010/02/06 (Sat)

[333] 乙女心は100までも
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キレイ
可愛い
素敵 より


早く
好きだ と 言われたい



2010/02/06 (Sat)

[334] おしっこ
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お布団が私を離さない うちは


あなたに逢えません


寒いのです


おしっこがしたいのです


布団から出られないのです


私は弱い人間です


でもきっと


リンカーンも

孔子も

マリリン・モンローも

ソクラテスも


お布団という楽園を前に

おしっこ我慢したのでしょう




2010/02/06 (Sat)

[335] なりたい、なりたい
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飾らない人になりたい


悲しい時に泣いて


楽しい時に笑うのがいい

お腹が空いたら大好きな物を思い浮かべ


寂しいときは大切な人を想いたい


どうしようもない時は


途方に暮れたい


そして、しばらくしたらもう一度頑張りたい


お金がない時は


大好きなチョコレートを我慢したい


大好きな友達と 時々


時間を忘れておしゃべりしたい


豪華じゃない、本当に必要な僅かなものに囲まれて暮らしたい


大好きな人を一生守りたい


裏切られても
変わってしまっても

ただ
無条件に愛しつづけたい


理屈じゃなく本能のまま

いつまでも






2010/02/09 (Tue)

[336] あっ、て
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あっ、て言えるの素敵だね


あっ、て言ったら誰かが振り向いてくれるじゃない


下手くそでも


ネガティブでも


情けなくても


嫌われても


何かを言って、
人に気付いてもらえるのは素敵


やっぱり 海底の貝みたいに


誰にも気付かれず生きてくのは辛い


私は人間だから


魚に憧れていても


やっぱり 、人間と 生きたい





2010/02/10 (Wed)

[337] いつかの冬の頭の中
詩人:剛田奇作 [投票][編集]

夜明けの排水溝からピンクのトンボがでてきて


私にキスをする


洗ってない食器が無造作に置かれた台所


暇が怖い

寝巻にコロンを吹き掛けて

薄暗い路地に出る


何となくサボテンを買いに行く


インドカレー屋の看板をフランス人が凝視している


不意に逃げたくなった、11年前の講習を思い出した

ついに夜明けが肩を叩く

振り返ると、スポーツカーに乗ったラーメン屋の息子が微笑んでいる


なかなかいい声の持ち主らしい


明るくなり
蛍光灯が消えた


ぶんぶん言ってた蛾たちも解散した


町が呼吸を始める前に


私はジュラ紀の鳩をおもいながら


四畳半に帰っていく





2010/02/12 (Fri)

[338] シンリー
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私は世界一、幸せな女なの


だって


私が、世界一
幸せだと思っているから


2010/02/14 (Sun)

[339] たのしみ
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もっと楽しくなりたければ


いいわけを止めれば いい

歩きだせるから


2010/02/14 (Sun)

[340] ぬるま湯
詩人:剛田奇作 [投票][編集]

君が真夜中に触れた

耳たぶの下が

まだ愛しい


そっと 荒れた指先で触れて時間を止めた


君の手のひらの湿度は


私の肌にちょうど良い

数学は苦手だから

やっぱり温度が良い


人を殺して-100


人の命救ったら+100


で、0


なんて おかしすぎるじゃない


君のあたたかさを知ってるのは





キレい事ばかり言うのは

私 だね


汚れを みせても君は


笑うね



2010/02/15 (Mon)
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