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剛田奇作の部屋  〜 投稿順表示 〜


[240] パントマイムひで子
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ひで子
ひで子
パントマイムひで子

わざわざ改名したひで子


猫にカツラを被せて遊んでいた

割とはっきりものを言うひで子


ナイーブなひで子

免許取れたてのひで子

オセロではいつも黒をとるひで子


ひで子は 私のポーチの中にぐずぐずのクッキーを入れて悪戯する


クッキーと手づくり豆乳を持参

30センチの
ちっちゃなひで子


やってきたばかりだというのにな


今朝トイレで死んでました


死因は数学中毒みたいでした


ひで子
ひで子


パントマイムひで子


さよなら








2009/05/18 (Mon)

[241] 死んじゃった
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死んじゃった

高校生の男の子が
電車に飛び込んで

死んじゃった

近所の線路で
悲しい目をして


その時は午後三時で

私はおうちで
かっぱえびせんを食べてた

ポリポリ食べてた

一階のブラジル人の派手な奥さんも

普通に子供を遊ばせてた
街は普通だったのに


男の子だけが普通じゃなかった


もし私が偶然外にいて

男の子をみかけて

とりあえずうちでかっぱえびせん食べよ?

って言ってたら


まだ温かかったのかしら

1つでも良かった


なにか1つ
誰でもいい

彼に 逃げ場所があれば…

大人が悪い

私も悪い





2009/05/20 (Wed)

[242] シンちゃん
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背の高いシンちゃんは
黒いコートが良く似合ってた

ソーセージを食べる時
箸で刺してたべた

日曜日はフードの着いたトレーナーを着て自転車に乗っている


シンちゃんの指は
水の香りがした


ジャガリコをよく食べてた


藤のいっぱい垂れ下がる公園で

茂みの中に入って行った
誰も入らないような場所
小道があって

昼間だけど
真っ暗な茂み
急な下り坂


シンちゃんの 背中とフードを掴みながら
着いていった

私達は何もしゃべらないまま

やっと降り立った広い道

観光客がゾロゾロ通る明るい場所


私達はみんなの中に混ざって

きっと
ありきたりなカップルに見えていた






2009/05/23 (Sat)

[243] 星のうた
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がじゃらす
ごじゃらす
どしゃらす

かいじゅうがやってくる

ばむり もびり


私の皮を剥がして

自分にはりつけてる


ぷにぷに ぱちる
ぴむぴむ はすり


ああ
かいじゅうがあなたになった


がちゅり

抱き合って


がむん

キスして


たん たん たん

さあ
おうちに帰りましょ




2009/05/26 (Tue)

[244] デカダンス
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タンポポでガスマスクをつくりました

君の冷たい 指は
ガスの中で愛撫する

生臭いのは
十字架の指輪

息詰まる快感

だから僕は窒息派

鼻の奥が圧迫されるのは
深夜四時頃が 良いな

浮気の説明は
図でしてよ

ねぇ終わったら

そのまま

ベランダで花火をしよう

夜明けの澄んだ闇の中で



2009/05/27 (Wed)

[245] 絶不調
詩人:剛田奇作 [投票][編集]

私がこんな風に詩をスラスラ書いている時は

何も上手くいかなくて
大概

絶不調な時
なのです

それは
絶不調の時こそ私らしくいられてる

ってことかも知れない


絶不調なのが本来の私
かも知れない


愛しい
愛しい


絶不調


サツマイモのパサパサと窓の外の小さな騒音たち
曇りの
お天気

マイバッグには
はりねずみさん

一方通行の歌
歌って





2009/05/31 (Sun)

[246] 林檎
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透明なもの
たとえば

お酒は飲めないけど
カクテルは好き

小さいもの

たとえば
ミニチュアのビルや家が好き

占うことはないけど
タロットカードが好き

たとえば 海に船を浮かべて

遠くの国に行くこと

何かを知ること
涙すること


残るもの
消えるもの

人の意志

たとえば

あなたのちいさな胸の 無限な世界を

手のひらで
感じてみたい

文字や
言葉や
映像さえ超えた

君の世界

たぶん

どこか優しく冷たい数字たちが
いっぱい舞っているようなきがする


いつかの懐かしい音楽にのって


涙する林檎
その鮮やかな雫は

君の世界のカケラ

ドラマみたいに上手く行くはずないけど

充分に美味しい
林檎

誰にもわからないから
一番愛しい

伝わらないから
私が守る





2009/05/31 (Sun)

[247] かんしゃく
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上手く積み木が積めなくて

途中までできてたのまで
めちゃくちゃに壊しちゃって

部屋じゅうに放りながら泣いちゃう君


上手くいかない事もあるさ

人生だもん




2009/05/31 (Sun)

[248] 午前四時のマニュアル
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午前四時に、朝食を食べるときには

全裸になります

感覚も味覚も研ぎ澄まされいいかんじです

その後全裸でベランダに立ち、午前四時の湿気と闇の中の煙りのような匂いをかぎます


自分が自分でなくなる感覚に陶酔し

陰毛に黄身が絡まって
カピカピになっているのにきづきませんでした

その後
ふきを採りに駐車場へ行きます

ふきの煮物をペットボトルにつめて

子供達を学校にやるためです

夜が明けたらゆっくりと
ふきの写真でカレンダーをつくることにします


寒いので五時には服をきます





2009/06/02 (Tue)

[249] 大きくなあれ
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大きくなあれ

私のおっぱい

大きくなあれ

私の意識

琵琶湖より サハラ砂漠より

大きくなあれ

海のように
鷹の視界のように

広くなあれ

自分とか 他人とか
植物とか親友とか
生ゴミとか 猫とか シラスとか

全部ミキサーに入れてスイッチ温

一気に飲み干しちゃうようにさ

何にも のどに引っ掛からないで

するんと飲み込んで
潔く微笑み

さぁ
ベンチに腰掛けさせていただこうではないか

さぁ
噴水に集うハトの瞳に

ジュラ紀の風の音色を
空の名前を

尋ねよう

大きくなあれ

深海の生き物とも
話せる心

もっともっと

飛行機雲の消し方を 渡り鳥に尋ねよう

大きくなあれ
自分を捨てて

もう二度と

無くしたサボテンの棘ごときにむせないように

微生物のゴキゲン取りに数年もついやさないように




2009/06/02 (Tue)
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