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剛田奇作の部屋


[288] 命の場所
詩人:剛田奇作 [投票][編集]

死んでしまうことは当人にとって、

全て終わってしまうことだ


そして残された者にとって、
恐ろしく険しく厳粛な旅の幕開けだ


死の本当の意味は生き残された人々にのしかかる


彼らの世界に天変地異をおこし

時間を止め
心を乱し
荒れ狂わせ
悲しみにうち震わせ

自責の念をも背負わせる

それでも彼らは傷を引っ提げたまま
何十年と生きて歩かねばならない


仕事をして
ご飯を食べ
家族を支え
眠って、起きる


容赦なく、時間も義務も待ってはくれない

死者は休めるが生者は休めない


死、生、命


すべて自分の中にあるようで


本当は他人の中にこそ存在するのかも知れない






2009/12/07 (Mon)

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