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三歩の部屋


[20] Cherry
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背中でもつれた 2枚の翼
まるで 不格好な蝶々結び
その姿に はじけるように笑った


外は にわか雨
水滴も 弾けないものだから
背中ばかりが 重たくなって

いつか全てが
潰れてしまわないように


気が付けば
雨宿りばかりの僕だった


光が射すと
南南東に向かって 飛び出して


「もっと暖かい場所は どこ?」


気持ちさえ温めておけば
どこまでも 上昇できるの?


別に 太陽が恋しいわけじゃなく
ただ 君に近づきたいだけだから


寝苦しい夜に
シーツの端っこ握りしめ
何度も寝返りうっては
変わらない平熱 まとい続けて


身体が どこまでも冷静だから
尚更 息が苦しくなって


1人ぼっちが怖いのに


気が付けば
孤独にさえも 甘えてた


吹き抜ける春風は
なぜだか今日も よそよそしくて


それでも
雨宿りの背中を引き剥がし
蝶々結びと一緒に
振り解いてくれる


そんな気さえ、するんだよ


君に届けたい 無数の気持ち
花びら1枚、1枚に乗せてみるから


どうか 明日の先まで運んで行って


置き去りにするくらいなら
どこか遠くへ 

飛ばされたいから



2007/04/10 (Tue)

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