掠れた冬の匂いがまとわりつくその理由を探しているうちに知らない場所へと来てしまった誰のためでもない何のためでもないしたたかでたおやかな偶然その理由を思い出せない瞳は閉じているのに世界が見える文字と言葉の羅列が海になるそれに飲まれるレッスン溺れかけたように呼吸がずれるのは世界が一ミリ俺を受け入れたからだ
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