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黒夢の部屋


[132] 忘却
詩人:黒夢 [投票][編集]

貴方の全てを、思い起こして。




もう会えない。
私から貴方の居場所までは、遠すぎる。



会いたいよ。
貴方が好き。
狂おしいほどに。



伝えたいよ。
まだ忘れられない。
今度こそ完璧に突き放して。





どれほど願っても、会えない事ぐらい知ってる。
現実など、物語のように甘くない事ぐらい解ってる。






いい加減、忘れなければ。
忘れるべき時が、いつくるかなんて知らないけれど。





今は、今だけは
ラストシーンを、何度でも繰り返すよ。



心の中で。
頭の中で。





貴方がどんな性格だったかを思い出して。
貴方がどんな声だったかを思い出して。
貴方がどんな喋り方だったかを思い出して。

貴方の全てを思い出して。




そして、私の思い描いた貴方が

やんわりと私を堕としていくのを想像する。




私の描いたラストシーン。
現実とそう大差はないでしょう。
そうして私は、貴方を忘れる。



貴方を、私は忘れていく。

2005/09/03 (Sat)

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