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浜崎 智幸の部屋  〜 投稿順表示 〜


[60] 今ふるさとでは
詩人:浜崎 智幸 [投票][編集]


今ふるさとでは
夏の日射し浴びて

人々が歩き
挨拶を交わしてる 

昔の仲間たちは
それぞれの町に帰り

なつかしい歌と
ざわめきを愛してる

晴れた午後には退屈なほうがいい

東向きの部屋で
ごろりと横になる

さあ思いきって
雄渾にペンをふるえ

空に手紙書こう

今ならば届くから

──────
──────

2023/02/17 (Fri)

[61] 国東半島
詩人:浜崎 智幸 [投票][編集]


石に刻んだみ仏は

いつも静かに笑ってる

時は無慈悲な鑢(やすり)です

知らず知らずに削ります

誰のせいでもないし
誰を恨むでもないけれど

人よ覚えていてほしい

こんな小さな祈りだけれど

──────

2023/02/19 (Sun)

[62] 辰砂(しんしゃ)
詩人:浜崎 智幸 [投票][編集]


風になるよりあなたは速く

みどりの風のなかに駆け出す

ラララ不思議な風景が僕の前に広がる

大きな樹木の下に立って

空に手紙を書いてるあなた

ラララ恋かもしれないね
恋ならいいのにね
美しい辰砂たち

だから
愛してる
だから
愛してる

あなただけが意味を持つのだ

だから
夢みてる
だから
夢みてる

あなただけに日々は微笑む

────
────

2023/02/27 (Mon)

[63] まどろみ
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甘やかな眠り つかの間の憩い

幼い頃まで 時間を戻そう

なお善き言葉を
疑いもせず

信じて笑った
私はどこに?

いまの私は罪人(つみびと)?

★★★★

2023/04/26 (Wed)

[64] 信じているよ
詩人:浜崎 智幸 [投票][編集]


今も忘れない
爽やかな憧れ

僕の好きだった
伸びやかな光

友達のままで
違う町にいる

いつか会えるかな
晴れた朝の庭で

僕の記憶は
色褪せないよ

信じているよ
君は変わらないと
────
────  

2023/06/02 (Fri)

[65] 【鏡】
詩人:浜崎 智幸 [投票][編集]


恋の一つや二つなど
とるにたりないことだけど

世界はまだ暗く──君の愛撫を待っていた

夜明けの不思議な光が君の輪郭をなぞれば

歴史は武器となり──君の正義を押し付けた

肩に
髪に
腕に
胸に

ふりつもれよ微粉末

僕の敵は僕が倒す──安心して

君が守る君の世界
理想は現実の鏡


主題もなしに小説を
書いた人たちが増えすぎ

世界は甘くなり──君の殴打を待っている

8分19秒 光が旅するあいだに

遺伝の拡散(核酸)は──君の嘔吐をうながした

膝に
腰に
尻に
臍に

ふりかかれよ深層水

君の敵は神が殺す──むごたらしく

僕は阻む僕の世界
理想は現実の鏡

指に
爪に
眉に
舌に

ふりしきれよ真菌類

神の敵の名前は神──間違いなく

僕は妬む君の世界
理想は現実の鏡
─────
─────
※太陽光が地球に届くまでが8分19秒です。

2023/06/28 (Wed)

[66] ララバイ(死に至る病)
詩人:浜崎 智幸 [投票][編集]


夜が明ける 夜が明ける

さあ目覚めなさい
さあ目覚めなさい

話しなさい 話しなさい

今見てた夢をささやくように

涙の形の小さな雲が
夜明けの空に消え入るまえに


悔やみなさい 悔やみなさい

死んだ人たちを
思い煩って

信じなさい 信じなさい

疑うことより やさしいはずよ

泣いた日もあるし
泣く日もくるし

それでもあなたは
止まれないから

死に至る病
何度もかかる

それでもあなたは
止まれないから
────
────

2023/07/27 (Thu)

[67] 【夢の流れ】
詩人:浜崎 智幸 [投票][編集]



いくつも
橋を過ぎ

小川は
町に出る

夢みてた人は──
今も夢のなか

かすむ笑顔のように
今も夢のなか


別れは
華やいで

小さな
家のそば

聞こえればいいね
さよならの声が

夢の流れはやがて
深い海になる


たくさん
人が死に

たくさん
川になる──

出会えたよろこび
なくしたしあわせ

すべてこの川のなか
すべて流れてる
─────
─────
*この川の名は若菜川。河口は長崎市の茂木(もぎ)地区です。

2023/08/07 (Mon)

[68] 【ユウレカ】
詩人:浜崎 智幸 [投票][編集]


どこかに
私を望まない人がいるなら
すべての愛を(無)にする冷たい視線を浴びたい

どこかに
私を許さない人がいるなら
言葉の刃物をみがいてむごく殺してかまわない

独りよがりの道徳
哲学のない疑惑

寒い心の裂け目に
罪が細くにじむ夜へと向かう──輪廻


こころを
閉ざして見えてくるものがあるなら
阿吽(あうん)の呼吸をはずしてユングの海で溺れたい

邪悪が
土星の力を得たというのなら
レーキを投げろ
農夫たち
愚者の咎めを気にするな

芸術を楽しむには人は黒くなりすぎた
言葉が通じたうちに蝋燭(ろうそく)を点すべきだった

ユウレカ! ユウレカ!

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2023/08/08 (Tue)

[69] 【月が走る】
詩人:浜崎 智幸 [投票][編集]


夜を走るなら
月に背を向けろ

けばだつ心に
月は優しすぎる

楔(くさび)を打ち込め 
胸の真ん中に

呼び捨てにできる
名前はもうない

澄みし水よ
光を受けて
翳る心に灯る
歌に変われよ

みな幸ある人でいるか

流れにまかれる影でないか

そこは寒いのか
温もれないか


誰も顧みぬ
僕の歌だから

誰も顧みぬ
君のために唄う

鏡よ砕けろ 
正義を示すなら

翼を得るとき
僕は駄目になる

澄みし水よ
光を受けて
かたち残すものの
挽歌になれよ

失うものはせめて少なく

見落とすものはせめて小さく

そこは遠いのか
触れあえないか

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2023/08/17 (Thu)
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