ホーム > 詩人の部屋 > 浜崎 智幸の部屋 > 投稿順表示

浜崎 智幸の部屋  〜 投稿順表示 〜


[80] 【チャルダッシュ4】
詩人:浜崎 智幸 [投票][編集]






朝霧が涙に混じる
君以外見えなくなる

もう一度髪をほどいて
僕の横で寝てほしい

よこしまなまなざしよりも
純愛は始末に困る

それはその言葉自体が
偽善の手垢まみれだから

──記憶の画布のうえに
悲しみの裸婦を描こう──

Philosophical crisis
災いの恋
Philosophical crisis
いま
愛情は災害


嘘が多く混じるほど
キスは甘くなるという

そんな卑怯な君の肌を
抱いたことを悔やむから

──光も熱もない
差別の街へ行こう──

Philosophical crisis
致死量の恋
Philosophical crisis
いま
愛情は猛毒

────
────

2024/11/21 (Thu)

[81] 【らぷそでぃ】
詩人:浜崎 智幸 [投票][編集]


かるくてをたたきそしておどろうよ
よるがあけるまでうたいつづけよう
そうさこんやこそきみをだきしめて
ぼくはうたう

よるにひかるほしひるにねむるほし
まわりのすべてをひかりでかざって
そうさこんやこそきみをだきしめて
ぼくはうたう


きみなんかだいきらいだからもうはなさない
いきのねをとめるほどだきしめてよあけまで

つよくてをあわせそしていのろうよ
なみだかれるまでわらいつづけよう
そうさこんやこそきみをだきしめて
ぼくはうたう

よるにのろうほしひるにほろぶほし
まわりのすべてをひばなでかざって
そうさこんやこそきみをだきしめて
ぼくはうたう


きみなんかたくさんだだからもうゆるせない
しんぞうをとめるまでだきしめてよあけまで

よるにもえるほしひるにさめるほし
まわりのすべてをほのおでかざって
そうさこんやこそきみをだきしめて
ぼくはうたう


────────
点字の原文ママ
────────


2024/01/22 (Mon)

[82] 【十一点鐘】
詩人:浜崎 智幸 [投票][編集]



水色の窓際であなたの右手に水差し

そのままで名曲が聞こえてくるように思う

愛していいなら
いつでも愛せる

愛していいなら
いつでも愛せる

髪を撫で 急ぎ足
外出の支度をしてる

敬虔(けいけん)な日曜の
あなたしか知らない時間


ほら光 そして恋
あなたの自由な持ち物

近すぎて怖くなる
あなたはいつだって自然

短針が滑る まもなくイレヴン
短針が統(す)べる まもなくイレヴン

時打ちが終わったら
ひとつ願いが叶うだろう

崇高な日曜の
あなたしか要らない時間

─────
─────

2024/02/08 (Thu)

[83] 【茂木】
詩人:浜崎 智幸 [投票][編集]


波が立つときは舟影が消える
よそものたちから身を隠す

古里の海は古代の躍動
深く魚たち眠る茂木

忘れてしまうなこの海を
数えてしまうなこの船を

命が熔けてはいないのか
水面が赤く染まる茂木


漁が立つときは笑い顔あふれ
閉ざされた海をなめてゆく

女たちだけは強く手を合わせ
海よ安かれと祈る茂木

夕陽を招くか三毛猫よ
舟霊(ふなだま)祀るか漁火よ

漆黒の闇が訪れた
古里の海を忘れるな

漆黒の闇が訪れた
古里の茂木を忘れるな
──────
──────
茂木(もぎ)・・・長崎市郊外にある漁港。海は東になるので「夕陽を招くか」のフレーズはリアルではない。
──────




2024/04/08 (Mon)

[84] 【天馬】
詩人:浜崎 智幸 [投票][編集]






夜空の高みを走る天馬
わたしの窓まで降りてきたなら

ためらうことなくその背に乗り
子供の寝顔を見て回りたい

 おやすみ ぼうや 強くなって
 わたしの不安を救ってね

 おやすみ ぼうや 賢くなって
 誰かの予言を破ってね


あなたが生まれた悲しみより
わたしが生きてる意味は軽いね

ラムネの泡より短い夏
それでもひとりじゃもう歩けない

 おやすみ ぼうや 厳しくなって
 わたしの不正をあばいてね

 おやすみ ぼうや 鋭くなって
 呪文の矛盾を見抜いてね

───────
───────

2024/03/04 (Mon)

[85] 【吐血】
詩人:浜崎 智幸 [投票][編集]



ほんとの愛ならば
とこしえに変わらぬと

誓いの血を吐いて
てのひらに擦(なす)れ

そんな細い腕で
誰を抱きしめられると言うのか

吼える獅子のごとく
すべての軛(くびき)を壊し
走り出せ


偽善者を笑うな
真実を庇護するな

誓いの血を吐いて
沈黙に耐えろ

そんな弱い息で
誰を守れるとか言うつもりだ

愚者は愚者のままで
すべての知恵を求めて
動き出せ
──────
──────

2024/04/15 (Mon)

[86] 【帰依】
詩人:浜崎 智幸 [投票][編集]



水を渡せ神々
ここは言霊(ことだま)の国
飛鳥を智恵で満たし
大陸を近づけろ

ときじくの実のなるところ
大和うるわし

斑鳩の白い道のうえに春の日射し

豊聡耳(とよとみみ)の理想(ゆめ)

────────
────────
ときじくの実・・・・・・垂仁天皇が求めたという不老不死の果実。正しくは、トキジクノカクノコノミ。

豊聡耳・・・・・・聖徳太子のこと
────────

2024/05/26 (Sun)

[87] ナメクジ・マーチ
詩人:浜崎 智幸 [投票][編集]


みんな集まれ ここが古里
二度と帰らないと決めた兄弟よ

人はいないぞ みんな死んだぞ
いまやこの世界はすべて我らのもの

犠牲者の血を讃えよ
権威者(カリスマ)の名を崇(あが)めよ

ここが祝福の国 
ひとつに結ばれる
─────
─────

2024/06/20 (Thu)

[88] 【ルルドの泉】
詩人:浜崎 智幸 [投票][編集]


なお遠い道の果て
わたしは行くそこまで
奇蹟の泉

善悪の彼方には
罪と嘆き集めた
カインの印

十字架を負う人の
たどる長き道程(みちのり)
ローゼンシュプール(薔薇の小径)は

星の降る方角へ
セント・ベルナデッタの 
眠る村まで

エリ・エリ・レマ・サバクタニ※

どこへ行けばいいのか
ルルドの泉
─────
─────
※わが神、わが神、なぜ我を見捨てたもうや
─────

2024/06/20 (Thu)

[89] 【はるか空に夢の世紀】
詩人:浜崎 智幸 [投票][編集]


心地よい風だね
話すこともないね
柔らかい風だね
ラジオが聞きたいね

僕が歌うのには地球は重すぎる
君の合い言葉は百も知ってるけど

はるか空に夢の世紀
君だけを信じてる 夢の世紀


古典を読みたいね
楽譜を書きたいね
ワープロ打ちたいね
お寺に行きたいね

大きな蜘蛛の巣が地球をだめにする
僕は誇り高い文盲でありたい

はるか空に夢の世紀
君だけを見ているよ 夢の世紀

はるか空に夢の世紀
君だけに会いたいよ 夢の世紀
─────
─────

2024/06/20 (Thu)
109件中 (71-80) [ 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 >> ... 11
- 詩人の部屋 -