詩人:カクレクマノミ | [投票][編集] |
なんとなく産まれて
なんとなく育った
なんとなく飯喰って
なんとなく眠る
なんとなく人に優しくされて
なんとなく人に優しくする
なんとなく怒ってはなんとなく泣く
なんとなく生きてる
それで人
みんな同じ
なんとなく楽しんで
なんとなく悲しんで
なんとなくそろそろかなって時
なんとなく死んじゃうんだから
適当になんとなく生きてていいんだよ
詩人:カクレクマノミ | [投票][編集] |
冬の重りも過去の様
人それぞれ重い軽いはあるけれど
春には溶けてしまってる
瞬く間の一日が積もり
瞬く間に溶けていく
春夏秋冬の積荷は溶ける
冬には秋の積荷
夏には春の重荷
肩に残った荷物の余韻は
溶けるべきではない事の表れ
何が溶けるか
何を溶かすか
詮索してもやがては溶ける
把握の範疇はすぐに越えて
一瞬で積荷は過去の産物
余韻を大切にする人の中で
一人また一人と下ろしていく
コントロールは過剰な自信
分からないことを認めない
溶けた雪は溶けたことに気づかない
気づく間もない一瞬の出来事
美化の後の神格化
それもいずれは溶けてしまう
知っていても早めたい融解
そんな思いもすぐ溶ける
余韻だけでも残らないかと期待して
少し経てば溶けてしまってる
繰り返された果てに辿り着きたい春
詩人:カクレクマノミ | [投票][編集] |
東京ではもう桜が咲いたという
僕の街はようやく新芽が出てきたところ
まだ少し寒い
春物の服はまだ早い
白鳥はまだ近くの池にたむろしていて
灯油を詰んだトラックもまだ走ってる
何十回もの冬を越えて
何十回もの春を迎えて
今の僕と見比べる
些か成長したかな
今年は始まったばかり
けれどすぐ終わるのでしょう
一年なんて神様のあくび
あくびをしている間に過ぎていく
つられてあくびをしないよう
一歩一歩踏みしめて歩きたいな
詩人:カクレクマノミ | [投票][編集] |
寒い季節を迎えると思い出す
この歳になっても思い出す
1999年のノストラダムスの予言は少しだけ僕をかすめていて
僕にとって地球より大切だった人が離れていった
僕はノストラダムスに全てをなすり付けて
他の人にとっては取るに足らない罪を着せた
もう13年も経って
僕ももうとっくに大人
そこに故意はなくて
あったのはいないという現実と漠然と積み上がった時間
口では時間が短いと言っていたのに
たまにつらくなったりしてた
気づけば鉛色の毎日の繰り返しにも慣れて
出来上がったその他大勢のエキストラの一人
失った諸々は忘れて
役に徹してたはずなのに
毎回夏が去ると思い出す
昔あった恋
詩人:カクレクマノミ | [投票][編集] |
ホントはね
何もないんだよ
実はね
意味はないんだよ
意味は誤解して生まれた想像
意義は刷り込まれた価値観
それを知って初めて100%で生きられる
悲観してる暇なんて無い
死んでる暇なんてもっと無い
120年後の後悔はここにはあってはいけない
300年後の矛盾を作ってはいけない
僕が生きてることに意味は無い
君が生きてることにも意味は無い
誰かがいてくれるのは依存と義務かもね
けれど出会った人には感謝をしないとね
優しくしてくれた人にも感謝をしないとね
自分もみんなも気持ちよく生きられるようにしないとね
人生に理由付けをするのは大歓迎
意味を見つけるのは不可能
意味は後付けの理由や憶測や蛇足とは違う
知って楽しく生きよう日本人
詩人:カクレクマノミ | [投票][編集] |
ひとつあげるからふたつ頂戴
憤りの先にはただの空間
これが良い、あれは悪いと漏れてく空気
決断の指針さえイカサマの賽
手のひらの上で遊んでいるようなもの
そんなようなもの
振り返った君はよくできた人間
振り返ることを禁忌とする水槽は丈夫な作りさね
でもよく見ると小さい穴が空いてる
気づいた君はよくできた人間
賽の振り手は杞憂ではすまなくなった
足の先にぶつかる小石は確かにそこにある
そこにあるんだよ
金魚鉢の中で横たわった金魚は何処へ
底のない瓶の中の水は何処へ
ぐるぐる廻っても結局は振り手の出目を待つか
空気中に解け出した感情をそのまま受け取るか
それは自分で決めることだよ
君が決めることだよ
何かが変わったようで本当は何も変わってない不思議な水槽
詩人:カクレクマノミ | [投票][編集] |
表情すら
吐く言葉さえ曇ってきた
月はこんなにも綺麗なのに
星も輝いているというのに
僕は忘れ物が多い
戻って取ってこれるものなら
すぐに走って取ってこれるだろう
いつしか目を瞑って他の物で目くらまし
見えていない
見えていないと自己暗示の日々
忘れた
忘れたと言って一刻逃れる
本当は全部覚えている
細部に至るまで詳細に
成長は疾うの昔に止まっていて
止めたのは自分だと知っている
諦めた自分を肯定して逃げた
胃液を全部吐き出すようには上手くいかなくて
本当は毎日声が枯れるまで叫び続けたかった
喉元から頸動脈まで貫いて思考を止めたかった
けれど違かった
それは違かった
目で追えないほどに可能性は転がっていて
手を差し伸べてくれる人たちだっていた
もう逃げることに疲れた
言葉すらままならない程に戦ってみようと思う
ここからは僕と戦ってみようと思う
二度とは負けない
捨ててはいけない
詩人:カクレクマノミ | [投票][編集] |
どれほど綺麗なんだ
何が素敵なんだ
淀んだ空気に埋もれて
摩り替わった木々を掻き分けて
何を目指す
そこに何がある
ゴールを決めることは素敵かい
美しいのかい
僕には解らない
解らない
綺麗事のみの構成
反吐が出る
テレビCMもアイドルも新聞もみんな同じ
人でなしが搾取する
餌を撒いて魚が寄るのを待ってる
自由に生きることはもう諦めなきゃね
エゴでエゴを覆って
意味の無さに恐怖して意味を無理やりこじつける
現実は思いの外どうしようもないよ
生きるためには目を瞑らなきゃ
君が壊れてしまう
僕も壊れてしまう
影は光がないとできないけれど
闇は光がない時の影の名前だとは知らない
良いことはもはや良いことだと言い張ることしかできず
悪いことは道徳の範疇を越え君の足元
今更倫理もないのに何を語る
何を押し付ける
黙って飲むわけないでしょう
黙って従うわけないでしょう
僕らは自由に生きたい人間。
そういうのが人間。
詩人:カクレクマノミ | [投票][編集] |
星が落ちた
もひとつ落ちた
こっちも落ちたよ
そっちも落ちた
何が落ちてるんだろう
ただの星
彗星
流星
難しいことは分からないけれど
きれいだなぁ
なんだかとってもきれいだなぁ
日常を切り取って星にぶつけて
憎悪を剥がして星と流す
汚い言葉も空から見たら何事でもないさね
それはとてもどうでもいいこと
あなたが悩む必要のないこと
現実逃避だっていいじゃない
笑われたっていいじゃない
何を言われてもいいじゃない
流れて光るあの人やその人
流れて光る君や僕を想像して少しにやけづら
詩人:カクレクマノミ | [投票][編集] |
誰かが誰かをおとしめて
私はワタシを追い詰める
逃げてもやがては行き止まり
言葉は力を落としてる
四角形のカナタに広がる幻
どうして白を染めあげるの
ほっといてくれと泣いている
その首に掛かりかけてるロープを頂戴
私が捨ててあげるから
大事に捨ててあげるから
両目をつたうのは痛み
ほらあそこにも
そこらじゅうに溢れてる
そのカミソリを頂戴
私がそれを捨てるから
こっそり捨ててあげるから
「目を開けても暗いんだ」
分かってるよ。解ってる。
それでも目を開けるんだ
意味なんて考えなくていい
だからその錠剤を頂戴
私が捨てるから
責任持って捨てるから
綺麗なモノの反動
虚像だけでは乗り切れず
苦しくなった世界はもう限界
風船のように空気を抜けたら
気づかぬふりて空を飛べるのに
早く気づいてよ
もっと目を凝らしてよ
武器を捨てたあなたには代わりに勇気をあげるから。