詩人:もとり | [投票][編集] |
ふと思い出して
心を抉られる
何故私を優しい嘘で染め
淡い夢を見せたのだろう
幸せを知らなければ
こんなに心を締め付ける事も無かったのに
二人で思い描いた未来は
私だけしか見なくなり
優しい嘘は残酷な現実に塗り替えられた
無理に遠くへ誘い出して
雑踏に紛れた私達は
確かに二人ぼっちだったね
同じ物を見て
同じ世界を共有していたよね
私は泣きそうで
このままこの手を離したくない
このままずっと居られたら良いのにと
ずっと願って居たんだよ
もう望めない夢で
もう掴めない未来で
もう動けないよ
貴方は変わっていくのに
私はちっとも変われないのに
詩人:もとり | [投票][編集] |
貴方の隣に居るのに
まるで存在して居ないかの様
干渉しない貴方に合わせて
私も貴方も互いに別の世界に耽って
携帯で繋がる別の誰かに夢中な貴方に
本当に私は必要なの?
顔を合わす事も無ければ
私を思い出しもしないのでしょう
声を漏らしても良い?
本当は寂しいんだと
今日も私は
憎みながら貴方が来る事を待ち望む
もう終わらせたいと
愛しているのにと
言葉を漏らして
詩人:もとり | [投票][編集] |
沢山傷付けて
沢山傷付いて
時には距離を置いて
自然に寄り添って
疑ったり
安心させたり
離れたり
傍に居たり
平坦な道では無いにしても
愛してると心から言えるよ
それでも毎日欠かさず
愛の言葉で包んでくれる貴方に
愛がある故に
心が動いているのだから
詩人:もとり | [投票][編集] |
今迄出逢った人なんて
ほんの一握りで
吐いて捨てる程に
人なんて溢れかえっている
すれ違い
時に交差し
紐解く様に離れていく
そんな無限に広がる海の中で
私を見つけてくれてありがとう
大事に想ってくれてありがとう
吐いて捨てる程に人は居る
だからこそ大切にされたら
想いを返したい
愛してくれて
本当にありがとう
詩人:もとり | [投票][編集] |
落ちる
落ちる
落ちる
どうせ誰も気には留めない
私も他人等気には留めない
夢に描いた理想なんて
所詮空想のおままごと
落ちる
落ちる
理解されない
感情が目まぐるしく動く
嘲笑う君の姿に心の中で嫌悪して
落ちる
落ちる
薄っぺらい飾り付けで
言葉を紡いでみせたって
中身が無い事すらお見通し
酷く滑稽
見苦しい
落ちる
堕ちる
何処までも
詩人:もとり | [投票][編集] |
君の何気無く放った一言が
どれだけ僕を不愉快にさせているのか
笑いながら
言葉を用いた暴力を重ね
傷付けている事すら君は気付かず
怒った様を見れば
冗談なのにと言葉を吐き捨て
悲しむ姿を見れば
そんなつもりじゃなかったと
言葉を濁す
嗤える
そんな物
受け取り手次第じゃないか
お決まりの笑顔を貼り付けながら
冷えていく感情を僕は知らない
段々と心が離れ
距離を置かれていくのを君は知らない
それに気付かず
また日々を重ねていく
限界まで
あと少し
詩人:もとり | [投票][編集] |
僕は君の事を何も知らない
知っているようで何も知らない
好きな物や
仲の良い知人や
住んでいる所さえも
君自身の事であれば
大体は理解してきたけれども
君の背景は全く知らない
近くて遠く
手に入れてるようで掴めない
だから今
君が連絡を断ってしまえば
いとも簡単に繋がりなんて切れてしまう
それは恋人や友人と言うよりも
深く繋がっている他人 と言うより他にない
君と僕の関係を表すならば
そんな脆い結び付きで
詩人:もとり | [投票][編集] |
小さな彼女は視線を落とし
赤く染まった輪郭を撫でながら
届かぬ言葉を紡いでいく
結末がいつも幸せなんて
一体誰が決めたっていうのかしら
シンデレラの硝子の靴は壊れてしまった
眠れる森の美女は誰にも知られず朽ちてゆき
白雪姫は毒に侵され息絶えて
人魚姫は愛したが故に泡沫の様に溶けていく
現実は醜く残酷で
夢だけでも見ていたいだなんて
可笑しな話でしょう
愛しい貴方はもう居ない
在るのは置き去りにされた私と残骸
愛でる様に指を滑らせ
静かに彼女は別れを告げる
安らかにと願いながら
捧げる歪んだ鎮魂歌
詩人:もとり | [投票][編集] |
痛み止めの代わりに
煙を深く吸い込んで
不満を形にするように
空気に溶かして燻らせる
じわじわと蝕む倦怠感に
身体が麻痺してしまいそう
抱きしめられたその腕に
感情など微塵にも無く
交わした言葉にも
何の意味も無い
一時の温もりと引き換えに
大切な何かを失って
これは跡の残らない
自傷行為
涙が出るのは痛みなのか快楽故か
ただ、寂しかっただけ
ただ、埋めて欲しかっただけ
抱き合いながら眠る夜
それでも孤独感は拭えぬままに
詩人:もとり | [投票][編集] |
傷付く事を恐れて
逃げ口上ばかり用意している
予防線を幾重にも張り巡らせ
自分への説得材料すら用意している
そう これは私のせいだから
そういうつもりじゃ無かったから
別にそういう間柄じゃないし
でも だって
だから咄嗟の出来事や
予期せぬ衝撃には
直接心を抉られる
次の対策を講じるならば
諦める と言う選択肢
選んだ物を間違えた
もう望まないよ要らないよ
じゃあもう無理だよね
だから もう
歳をとるにつれて
傷も経験も増えてきた
だからもう純粋な気持ちにはなれないし
手放しで信用する事も難しい
安心させてとは言わないから
何度も言い聞かせて と願う
私だけを愛して とは言わないから
私だけを愛してる様に見せて と望む
嘘は知らなければ本当になる
ならばせめて傷付かない嘘を
汚れた現実は
優しい嘘で覆い隠して