詩人:もとり | [投票][編集] |
望んでいるのは
貴方からの言葉じゃない
望んでいるのは
貴方の抱擁じゃない
望んでいるのは
貴方からの口付けではない
だけど
あの人からは望めない
その言葉は
あの人から聞きたかった
この腕が
あの人だったら良かった
私を見てくれているこの瞳が
あの人で有れば良かったのに
欲しい物は
いつも手に入らない
私が望む物は
あの人からの愛だけだというのに
詩人:もとり | [投票][編集] |
不幸ばかりじゃない
でも泣いてる数も少なくもない
思い出の中だけで生きていて
未来を少しもみようともしない
そんな私が幸せになど
到底成れるはずもない
笑っている癖に
心の中は冷め切っていて
人に興味関心もなく
ただただ生かされている
こんな枯れた生活が
あと何年続くのだろうと
濁った頭で考えて
日々を無駄に消化し
気持ちを誤魔化し
毎日を適当にやり過ごす
誰が悪いわけでもない
希望が持てないだけ
ただ、死んでいないだけ
これは本当に
生きていると言えるのだろうか
詩人:もとり | [投票][編集] |
満天の夜空の煌めきに
霞んで映る遠い記憶
想い想われ
恋い焦がれ
涙に変わり
散り果てる
想い馳せるは痛みを伴う恋心
そっと浮かんで消え失せて
煌めきは徐々に滲んで
輪郭さえも曖昧で
また会いたいと願いながら
もう会えないと呟きながら
憂いを帯びた静寂の中
所在無さげに立ち竦む
まるで行き場を無くした迷子の様に
詩人:もとり | [投票][編集] |
泥の中に手を突っ込んで
嗚咽混じりにかき混ぜた
不透明な渦の中は
暗く澱んで翳りを増す
もう何もかも
みんな混濁してしまえばいい
寂しさ
愛しさ
妬み
醜さ
故に陥る虚しさ
沈殿物は深く 深く
積もっていく
時折感じる傷の痛みが
本当に不幸とは限らない
只 時折見せる優しさが
本当の幸せとも限らない
渦が収まって凪いだ頃
全てが収束に向かっていく
何事も無かったかの様に
只其処に有ったという
事実だけを残して
詩人:もとり | [投票][編集] |
意外性がないのは
何処かで終わりが分かっていたから
君からの気まぐれの言葉や態度には
いつだって想いが見えなかったから
線香花火も儚いから綺麗です
だから最後の雫まで見入ります
この涙もいつかは止みます
だから思い切り泣けばいいのです
雨だっていつの間にか上がります
だから安心して待つと良いのです
終わりがあれば
始まりもまたやってくる物だから
詩人:もとり | [投票][編集] |
誠実な君はストレートに
土足で踏み込んで荒らしていく
親切そうな笑顔を振りまき
偽りの謝罪を前置きに
理想を押し付ける
常識 なんて
名前付けちゃってさ
正論を振りかざし
理想論ばかり並べ立て
さぞかし気持ちいい事でしょう
有り難迷惑
余計なお世話
今 陶酔しきってる君に
ぶつけたらどんな顔をするだろうね
だから君が嫌いなんだよ
猿でも分かる思考をただ垂れ流し
よかれよかれと思想を押し付ける
それが最善だと
自分の考えを信じて疑わない
そんな君は
ちっとも幸せそうではないけれど
詩人:もとり | [投票][編集] |
ふわふわ金髪のお人形
碧い瞳をしたお人形
赤いリボンをこしらえて
ひらひらドレスも踊ってる
あの子は今日もやってきて
私をずっと抱きしめる
愛おしそうに
大事そうに
あの子も笑顔で私も嬉しい
あの子の幸せは私の喜び
ゆらゆら金髪のお人形
淡い瞳をしたお人形
赤いリボンは何処かへ消えて
色褪せたドレスはまだ揺らいでる
大事にされてると思った
愛されてると思った
これからもずっと
私は只
何も知らなかったんだ
あの子は既に他のお人形を選んでた
私はただ待つだけしか出来なかった
言葉も発せられないし
伝えたいことも胸の中
只待つだけ
ひたすら、待つだけ
ボサボサ金髪のお人形
濁った瞳のお人形
何時の間にか埃にまみれ
もうみんな忘れてる
ひたすらずっと
見飽きた天井を仰ぎ見る
あの頃に戻りたい
戻れないなら忘れてしまいたいと
心に秘めながら
遠くへと霞んだ
もう戻らない夢を見る
詩人:もとり | [投票][編集] |
何もない
望みも期待も希望も夢も
趣味もやりたいことも
失っていく
友情も愛情も人も物も
何かを手に入れたつもりが
何かを手放し消えていく
手の内に掴んだつもりが
指の隙間から零れ落ちて
頑張って積み重ねたところで
崩れ落ちるのは ほんの一瞬
そうして今の私には
やはり何もない
身近にあるはずの
幸せにすら背を向けて
詩人:もとり | [投票][編集] |
貴方が好きです
いっぱい愛を感じます
貴方との抱擁が好きです
いっぱい満たされていきます
貴方と交わす約束は嫌いです
待つ間が苦しくなってしまいます
貴方を待つ時間が嫌いです
寂しすぎて死んでしまいます
貴方が好きです
愛しています
何時までも
これからも
詩人:もとり | [投票][編集] |
付き合っても
別れても
辛いというのなら
最早どうしたらいいのだろう
内部からかきむしるような痛みが
じわじわと浸食していく
会いたい
堪えなきゃ
寂しい
堪えなきゃ
声が聞きたい
堪えなきゃ
あの人のところへ
戻っても
あの頃のように
戻れないというのに