詩人:和泉 | [投票][編集] |
壊れた時計は
やたら静かで
相も変わらず
無表情のまま
鳴らない電話
赤く点滅する
留守番電話は
相も変わらず
空っぽのまま
無人の部屋に
響く孤独の音
家は真っ暗闇
ただいまの声
壁に飲まれる
相も変わらず
私は私のまま
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天の翼を携えて
青い空を泳ごう
熱いくらいの鼓動に
息吹を感じて
吐息の飽和
時間(とき)の連鎖
未来の記憶
別離の足音
再生の灯火
求めたのは
ほんの小さな幸せだった
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空白の余韻も冷めぬうちに
闇が裂かれた
寂しがりな言葉たちよ
君達がかき消されぬよう
僕らが大きな声で
叫ぶから
鏡のようなその瞳で
オンリーワンを捕まえておくれ
黒が光を受けて輝くように
その瞳が涙で溺れぬよう
空白の余韻を愛しく撫でて
詩人:和泉 | [投票][編集] |
星が流れた
しかし地に墜ちることはなかった
真昼の月に出会った
ひどく寂し気だった
白い太陽が笑った
その声に影が答えた
風が泣いた
一緒に連れさらわれた
雷が叫んだ
街は黙り込んだ
空が落ち込んだ
雨が優しく励ました
星が流れた
瞳を閉じて願うより
見つめていたいと思った
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声を静かにノートに滑らせよう
まるで眠っていた水面に
波紋を広げるように
静かでもあり激しくでもある言葉を書き綴ろう
時計の針が何万回 旅をした頃か
古い時計がやっと止まった頃か
そうしたなら
時空移動したノートと再会しよう