| 詩人:はるか | [投票][編集] |
カケガエノナイものは
いつだって失くしてから気付くんだ
あんなに大事に
大事にしてたはずなのに
君がいた場所をボクは
指でなぞってみたけど
そこにはもう
温もりも香りも
気配すらもない
君のいた場所に
鉢植えを置いてみた
君のいた場所に
椅子を並べたよ
どんなもので
君のいた場所を埋めても心は満たされやしない
本当に
カケガエノナイものは
この世に二つとないんだ君の代わりなんて
存在しないんだよ
今ではもう
伝えるすべもないけれど
| 詩人:はるか | [投票][編集] |
母さん、
私は子供の頃
母さんの布団に
潜り込むのが
大好きだったわね
いつも温かな
お日様の匂いのする
母さんの布団は
何故だか知らないけど
心がほかほかしたの
長い間 そんな事
すっかり忘れていたのだけれど
母さん、見て
この子たち
昔の私と同じ事してるのよ
この子達もいつか
気付くのかな
お日様の匂いは
母さんの匂いだって事に
| 詩人:はるか | [投票][編集] |
あの頃
危なっかしく駆けてきて両の手でしがみつく
あなたの背は
私の腰の高さ程も及ばず
私を映す
その瞳が見たくて
あなたをそっと
抱き上げた
この先のあなたの未来がどうか
あなたにとって
生きる力となりますように
この先出会う全ての物がどうか
あなたにとって
愛すべきものになりますように
まだ意味さえわからないあなたに
せめてもの
祈りを捧げます
| 詩人:はるか | [投票][編集] |
寂しくて
寂しくて
壊れてしまいそうな夜
拭っても
拭っても
とめどなく溢れる涙
言葉じゃ伝え切れない
想いが
もどかしくて
情けなくて
貴方に伝わらなかった
想いが
悲しくて
せつなくて
一層想いを募らせる
| 詩人:はるか | [投票][編集] |
元気ですか
この坂道を通ると今も
君の声が聞こえてきそうです
笑い転げたり
急に押し黙ったり本当に忙しい君だったけど
泣き言一つ言わない君があの日だけは違ったんだ
ねぇ、覚えてる
旅立つ君を見送るのは
ボクの役目だったのに
「行きたくない」と
君が泣き出した事
繋いだ手はいつしか
解けてしまったけど
君と見た景色は
今も変わらずここに在る
背中を押すボクの手は
もう君には必要ないから君はただ、先の未来を
見つめ続ければいい
差し出す傘も
涼しい木陰も
君を包む全ての物が
ボクの代わりに
君を守ってくれるはず
海の碧が
閉じた瞼からも眩しくて
顔を覆う以外に
僕には何も
出来ない気がした
僕にはもう
何もない気がした
| 詩人:はるか | [投票][編集] |
歩いて家に着くまでに
自転車乗ったおばさんとすれ違ったら僕の勝ち
子供が一人と猫二匹
散歩途中のおじいさん
おばさん今日は雲隠れ
こんな賭けして何になる勝っても隣で微笑ってる君は戻ってこないのに
全て終わった恋なのに
| 詩人:はるか | [投票][編集] |
いつからかこんなに
悲しかった僕等は
互いの心を離れ
行き着く場所さえ
見失った
過ぎてしまった
記憶を頼りには
進めないね
もう
何かが違う二人は
深く深く途方に暮れ
響き合うはずの
音すら掻き消された
空洞の中で
ただ
はがゆさと闘う事のみを許され
やがて
負けた一方が
最後の言葉を口にするのだろう
悲しいのは
二人で居る
孤独だった