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はるかの部屋  〜 投稿順表示 〜


[71] ちいさな願いごと
詩人:はるか [投票][編集]



例えば転んでケガした
ひざこぞうに

ばんそう膏をはった
指先とか


例えば毎日焼くのに

たまにコゲのある
卵やきだったりとか


ねえ そんな事



例えば当たり前のようなお帰りの言葉や

抱きすくめた時の
エプロンの色も



心の端っこに
かろうじて
引っかかっててくれたら

それだけで十分



あなたに沢山のことを
話して聞かせたくて
つけた名前を


何度も呼んで
何度もその瞳を見たくて


明日も笑っていますようにと

ただそれだけの

ちいさな ちいさな
願いごと





2007/01/19 (Fri)

[72] あの日全てがうまれた海
詩人:はるか [投票][編集]

この角を曲がると
潮の香りがつよくなる

家々がたち並ぶ
せまい路地の合間に
あの日の青が
チラリとみえた


あなたがいた海
あなたといた海


季節はずれの砂浜は
人影もまばらで
砂の白さだけがやけに
浮きあがって見える


ここで笑ったよ
ここが最後だったね


やる事なくて退屈すると
バカの一つ覚えみたいにここへ来た
腐っても許しあえる
アイツらと共に


フザケてたよね
泣きたいくらいにさ


恋と友情であふれた頃のざわめきが
静かな波音になって
耳に心地いい



みんなでいた
ここが全てだったね




ひと声かければ
笑いながらやってくる
アイツらと
たまには大騒ぎも
いいかな


今では会えないあの人の思い出話を
肴にして



あの日うまれた
この海でさ

2017/12/15 (Fri)

[73] うらはら
詩人:はるか [投票][編集]



規則的な感情で
規則的に
積み上げられていく
洗濯物


着そびれたセーターの
手ざわりに
少しだけ気が和む



もうとっくに
許している
心がそれに
追いつかないだけ


飽和しきれない
悲しみの
飲み込み方だけ
上手くなっていく




2007/02/08 (Thu)

[74] うちの子に限って
詩人:はるか [投票][編集]



花の美しさに
目を奪われ
本質を見失う


水をやり
肥料をまき
必要なものは与えたと
自己満足の極み


隣の庭の鉢植えと
見比べて
人並みに怠惰な安堵


綺麗な花には
トゲがある
見えないところで
強かに舌を出す
根元は土から
腐ることを知らない


意味のない品評会は
誰のため
温室で黒い夜露を流す事も知らず
時間のない言い訳を
考えながら
今夜も眠るのか





2007/02/12 (Mon)

[75] 地平線
詩人:はるか [投票][編集]



あの地平線の
先を見に行こうよ

何かあるかもしれないし何も無いかもしれない

今僕たちに
必要なものって
何だろう

全て失くしちゃいけないものも
初めからなけりゃ
それは それで
意外とそんなものかも
しれない

好きなものを
大切に思えることが
いいんだよ

そんなことかと
笑える方が
素敵だと思わない?

果てしなく
空想をめぐらせて
君が今、かじったパンのどれ程美味しかったか
沢山言えた方が
勝ちとか


波に削られる
かかとの砂が
くすぐったくて
お腹がよじれるくらい
転がって
抱き合って

それが全てだと
僕と君が
感じ合えることが
出来るなら




2007/02/15 (Thu)

[76] 振り向いてみたけれど
詩人:はるか [投票][編集]




流れる人波を
視界の端へと追いやる

広い 広い街の中
記憶を摘んでひた歩く


ここに来る理由も
来なかった言い訳も
月日と引きかえに消えて何も残らない今


変わるのは悪い事じゃ
ないと
今だから思える事も
あると知る



街は変わり
人も変わる


時間はながれ
心はほどけてゆく


見ようによっては
全てが違って見える


少しだけ 振り向いて
みたけれど
それは ただ
それだけのこと


今ある景色も
小さなわだかまりも


風が気付かず
通りすぎるように
すうっと肩を
撫でていくだけ





2007/03/05 (Mon)

[77] ありがと
詩人:はるか [投票][編集]



毎晩なんて言おうか
考えてたの


お行儀よく
三つ指ついて


お世話になりました
なんて


恥ずかしくて笑っちゃう



でも ホントはね



泣いてしまいそうだったから



人一倍、頑固で
甘ったれの小娘が



人並みに嫁にいくってさ



気の利いた言葉も
言えなくて



こんなんで務まるもんかって



あたしの肩に
手をのせて




ぽろぽろと笑った






2007/03/16 (Fri)

[78] 桜雨
詩人:はるか [投票][編集]




覚えてるのは
あの日の桜


舞い散るという言葉が
よく似合う
花びらのあめ 雨
また雨


通る人々は
その幻惑に酔いしれて
急ぐ足元を緩めている




泣きながら
終わった恋を
ぶらさげて歩けば


自転車のうしろから
背中ごしに見えた
去年の桜が
よみがえる



恋した景色に
君がいたもんだから
どうやったって
視界から外せない


気持ちだけは
永遠に残るんだって
こんな形で
分かってしまって
なぐさめの言葉も
のみこんだ



紛れもない
君の面影を
消すには あと少し
早いようで


今は ただ
素直に綺麗だって
この桜雨に
慕ってあるくだけ




散りゆく恋に
精一杯のはなむけを


そして私が
全てを許せるように






2007/04/11 (Wed)

[79] 月の見えない夜に
詩人:はるか [投票][編集]




行きつけのBarで何度か

隣り合わせた男に

その場限りの相槌をうつ




耳慣れないJazzは

Masterの好み

あたしが生まれるもっと前の

知らない時代




背の高いStoolの

回転椅子に合わせるように

背伸びしてはいた

ヒールのかかとが疼きだす




男のお喋りは止まらない

気がかり顔のMasterに

ちょっぴり眉を

しかめてみせる




心のうちを探りたいなら

月の見えない晩にして

琥珀色した液体に

今夜は思いを溶かしたいの




グラスの水滴が

したたり落ちるのを

黙って眺めたい

そんな夜もあるからと

言葉にする前に

消えて欲しいのよ






2007/04/20 (Fri)

[80] 愛してると言わない
詩人:はるか [投票][編集]



とらえる愛は

無償の産物

到達しない感情を

愛と言わない



2007/04/23 (Mon)
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