詩人:はるか | [投票][編集] |
あっ君は物思う
一人になりたいと
人知れず切に願う
だって一人なら、こんな素敵な事はない
フカフカお布団で朝寝坊三日月パンを死ぬほど食べて
底無し池を見に行こう
隣の大っきい兄ちゃんのビービーうるさいオートバイ乗って
運転なら任せとけ
だって僕は達人なのさ
白バイのバッテリーカー僕の右も左も出るやつはいない (…と、なっちゃんママが言ってたし)
僕は行けるんだぜ
何でも一人で出来ちゃえるんだぜ
暗闇だって夜中のトイレで練習したし、道なき道もへっちゃらおまぬけ
この世界は僕だけのもの
くたくたに疲れたら家へ帰ろう、
男の大冒険夢とロマンの後には具沢山のクリームシチューと決まってる
ママのシチューは世界一
お疲れあっ君
一人になりたい願いも
忘れ
匂いに誘われ家路に着いた
詩人:はるか | [投票][編集] |
夢の続きにまどろんでいた。
月はやがて夜の闇が薄れると共にその輝きを失い吸い込まれていく。
明けぬ夜は無いか。
全ては初めから分かっていた。出口の見えない迷路の中で出逢った僕達に共に辿り着く場所など無いという事。
皴の寄ったシーツを掌でなぞる。君が居た証。
ほんの微かな、微かだが僕がバラバラに崩れるには充分なほどの、奥底に覚える痛み。
…あぁ、君は居たんだ。
不意に切なさが込み上げる。
何も残さないとは
二人のルール
今となっては悲しい
決め事。
…あのドアを開ける決意を長い黒髪と共に固く結んだ君。
僕には持てるだろうか。その勇気を…
勇気を…。
詩人:はるか | [投票][編集] |
さえずる鳥の声より早く緩やかに朝の気配が目を覚ます。
カーテンに映るまだ蒼白い光の糸が飽和した柔らかな部屋に滑り込む。
夢と現の狭間を何度か
彷い歩き
やがてその指先が貴方の肌に触れた。
…ああ、貴方がいる。
胸に覚える微かな、微かだが私を次の動作にかきたてるには充分なほどの痛み。
不意に愛しさが込み上げる。
まだ温もりが漂う、その両腕に抱(いだ)かれたい感情を噛み潰し、散らばった衣服を身に纏っていく。
何も残さないとは
二人のルール
今となっては悲しい
決め事。
…あのドアの向こうは
もう何も無い世界。
私は髪をキリリと束ね
現実への扉を開ける
勇気を…
勇気を…。
詩人:はるか | [投票][編集] |
花よ 花よ
何思ふ
瞬の彩り引き換えに
儚き命の短さよ
鳥よ 鳥よ
何思ふ
飛ぶ事叶わぬ人の夢
かよわき翼に託すのみ
風よ 風よ
何思ふ
己の心に吹く風は
向かい風とて怯むなかれ
月よ 月よ
何思ふ
闇夜を照らす一筋の
光となりて我を救わん
人よ 人よ
何思ふ
行きつ戻りつ迷い子よ
叫びて尚も見えぬ明日
されど
生きればこその未来なり
詩人:はるか | [投票][編集] |
あなたへの想いは
水面に落ちる
花びらのよう
浮かんでは迷い
沈んでは見失い
漂っては戻りつつ
それでもまだ
辿り着けない
こんなにも
あなたは
遠いのでしょうか
こんなにも
あなたを
愛して止まないと
いうのに
詩人:はるか | [投票][編集] |
何かを本当に好きって思うのは、理屈じゃない
強いて言うなら
何だか分かんないけど
包まれる幸せ感みたいな
心がホッコリする感じ
何だか分かんないけど
何か、いい
そんな感じ
何かを好きな自分に理由は要らないと思うから
好きな何かがあの人なら尚のこと
詩人:はるか | [投票][編集] |
あなたにとって私が
どんなにか愛おしい
存在だったかという事を
一年に一度
思い返す
酒の肴はいつだって
大好きな焼き魚と幼い私
ポンッと優しく
私の頭を撫でるのは
昔から
不器用なあなたの
精一杯の愛情表現
蝶よ花よじゃないけれど
大きなあなたの両の手と
深い優しさに包まれて
今の私があるのだと
私を抱く
幸せそうなあなたの
色褪せた写真を見ては
しみじみ思うのです
あんなにも大きく広い
あなたの背中が
一回り僅かに小さくなり
時々フッと寂しいけど
節くれだったあなたの
手に
今度は私が手を添えるから
お父さん
お父さん
あなたに似て
不器用な娘です
それでも
幸せと思える今を
ありがとう
今までの全てを
この言葉と共に
ありがとう
詩人:はるか | [投票][編集] |
子供の頃、太陽を黄色いクレヨンで描いたら
それじゃあ月だと笑われた
周りの友達は空を真っ青に染め、木々を緑で塗り潰していたけど
僕の描く虹はいつも13色だったし、川は絵の具を薄めすぎて 画用紙がフヤけて水浸し
皆が笑うから
僕はそれがイケナイ事だと
ずっと今まで
今の今、たった今まで
思ってたんだ
君に会うまでは
夕暮れベンチに座る君を薄紫のラベンダー色で描いたら
君はこう言った
「私はどんな色にも
染まらないし
どんな色でも似合う私 でいたい」
無色透明な君
冷たくて、柔らかく
儚げで、物憂い
さしずめ君を前にして
僕は、淡いクリーム色が溶け出すかんじだけど
そんな事はどうでもいいか
目に映るものだけが
真実とは限らないから
優しく
優しく
抱きしめてあげよう