詩人:ナナエ | [投票][編集] |
臆病者で小心者のアタシは
ただ君の首にしがみついて
必死にもがくことしかできなかった
こんなにも誰かを
欲しいって思うことはなかったんだ
だけど最後まで
行かないでって言えなかったよ
君は優しいから
触れなくても感じるぐらい
アタシを置いていくこと気にしてる
だけど君がもう戻れないように
アタシだって戻らない
前を向いて
今は自分のやるべきことをやるしかない
君が挑戦するなら
アタシも挑戦しよう
君の行く手を邪魔するよりも
君の行く先で
また笑顔で再会できるアタシでいよう
そう決意した今日を忘れないでいよう
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100円ショップで買った小さい鍋に
小さめに切ったニンジンと
ジャガイモと
多めの玉ねぎと少なめの豚バラ
グツグツ煮える鍋の横で
ポカポカぬくい二人の心
今年のクリスマスは
暖かくてちょっと薄味の
肉じゃががご馳走で
お椀に盛った湯気の中で
美味しそうな肉じゃがを囲んで
なんとも質素で暖かい
純和風な12月のその日
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なんだか今日は
やけに機嫌が良いみたい
最近沈んでたもんね
どんより空気を纏いながら
どんより空気を吸って吐いて
たまに止めて大きなため息
ホントはさ
しっかりしてよって
闘魂入れてあげようかと
そしたらなんだか
ニコニコニヤニヤ
拍子抜けってこの事か
どんより暗幕の向こうで
視界に入ってなさそうだった
この間のあたしに見せてあげたいよ
あー
ちくしょうめ
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春はまだ遠い
コンクリートもまだまだ遠い
土は
サラサラの粉雪が重なる厚い氷の層の下で
いまも冬眠中
下を向いて歩かなきゃ
道は前を通った人が創るから
上を向いて歩いちゃダメだよ
朝も昼も夕方も変わらない雪雲が覆う
灰色の空だから
ただひとつ教えてあげる
冬の夜は
上を向いて歩かないといけないよ
こんな手が届きそうなオリオン座も
宇宙を肌で感じられるこの空気も
一生に一度のこの瞬間
最高の贅沢が私だけのものになる
だから私は冬が好き
どんなに厳しくても
この地で生きていけるのだ
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今日の良かった自分
明日したいこと
昨日の良くなかった自分
これから直したいこと
せっかくだから
真っ赤なレッドの手帳にでも
赤は誰かの闘う魂の色か
そして自分の大好きな色でもある
きっとこの世で一番
見つめたくないこと
振り返りたくないもの
そんな自分と向き合う為
だってさ
まさか自分で自分の頬に
闘魂注入なんて
できないできない
毎日記録
毎日振り返る自分
毎日見返す昨日の私
きっと明日は
なりたいじぶんに近づいてる
三日坊主とかありえないから
だって赤は私の大好きな色
見落とすはずがないじゃないか
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未だに見えぬ
新芽を宿した枝の間から
氷のように冷えた風を通す枯木のように
これから新たに始まるこの1年を
耐え忍んで生きていきたい
むしろ
そう生きていかなければ
生きることさえできず
選択肢さえ存在しないのだ
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会話をしましょう
さみしんぼーイ
隣にいても孤独なら
言葉を交えて息を交わして
体中の感覚で
彼女を知ろうとしてみましょう
見つめてみましょう
かまいたがール
彼の心の中が知りたいなら
口を閉じて耳を澄まして
魅力的なその瞳が
彼の瞳に映る時を待ちましょう
うん
上出来ね
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物語で例えるなら
北風と太陽なら
私は北風派だ
太陽にはかなわないとわかっていても
今できる精一杯の全力を
自分の誇りにしたいから
アリとキリギリスなら
私はキリギリス派だ
冬に餓死するとわかっていても
誰よりも今を
一生懸命楽しんでいたいから
私の行き先に見えるものは
この地点から
私が確認できるだけの
景色とにおいと光と
私が触れられるだけの
空気と人の暖かさと
恵まれた環境と
知ってることと覚えてることから
想像できるだけの
夢と未来だけだから
欲張りにも卑屈にも成り得ない
私はいつだって私派で
私のものさしを探してる
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四月になった
四月になって
最初に一緒に笑ったのは彼さんだった
もう四月なのに
冷たい雨に打たれて止まったり
吹雪きにまみれて走ったり
そんな矛盾のおかげかどうか
昔会ったあの人は今頃幸せなのだろうか
昔遊んだあの人は今頃誰と楽しんでいるのか
そんな事が頭に溢れて
そして立ち止まってそれから振り返った
まるで「秋」だ
なんてセンチメンタルな今日の私
いかんいかん
バイバイ思い出
泥だらけの道端の残雪に別れを告げて
私も春へ歩き出す
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きっと私がこの先
50年100年と生きるなら
これからの2ヶ月なんて
ほんの一瞬
瞬きのような出来事なのだろう
しかしながらそんな瞬間が
これから先50年間の私の基礎となる
今も絶え間なく訪れる
無意識の中の瞬きが
刻一刻と
私を未来へ導いている
ほら
今も