詩人:禪稀 | [投票][編集] |
ずれてしまったハートのピース
それはそのままなくなった
すべての物がその穴から
埋まる事無く通過していった
完成できないパズルは
寂しげになくなったピースが戻ってくるのを待っている
ハートのパズルを完成させることのできる
その日まで…
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静かで小さな塔の中
私はずっとここにいる…
外に出たくても―
出れなくて―
誰かといたくても…
誰もいない…
此処は何も聞こえなくて
静かすぎて眠れない日々が続く…
毎日 闇が近づくにつれ考えることは
此処から解放される唯一の手立て
“死”
私が解放される日は
それは―この世との
別れの日…
永遠に続く何もないこの場所で
私は一人消えていく
解放される日を夢みながら…
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あの日 壊れてしまった彼女の心―
今も治る事無く続く日々
近くにいたのに守ることができなくて…
何もできなかった自分を責め続ける
あんなに近くにいたのに―
気付かなかった…
あんなに楽しそうに笑ってたから
いつものように…
少しも苦しい素振りを見せなかったから
今 思い還せば完璧すぎたあの表情がおかしかったのに
“前みたいに優しくほほえんでくれないか…?”
俺は 愛らしいあの笑顔がが好きだった
俺を頼ってくるあの娘が愛しかった
だからお願いだ…
またあの愛らしい笑顔でほほえんで
俺の横にいてくれよ
俺を頼ってきてくれよ―
今度は必ずどんなものからも守ってみせる
俺は強くなったから
だからこっちに戻ってきて
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たった一本の赤い薔薇
それは昔 俺が罵った一人の老婆が俺を野獣に変えて残していった
“この薔薇が枯れるまでに人の優しい心を知るように…”
という言葉を残して老婆は去った
あの頃の俺は
自分勝手に生きていた…
自分勝手に生きてても気にしなかったし
周りも何も言わなかったから
そんな俺を
長い月日と―
心から美しい一人の少女が変えてくれた…
野獣の俺にも優しく触れてくれる彼女の心に触れる度
俺は自分がしてきたことが恥ずかしくてどんなに愚かな存在か
彼女が俺にわからせた
彼女は俺の悪いところをはっきり教えてくれた…
そして
“悪いということがわかるならこれから変わればいいよ…” こんなふうに優しく言ってくれた
彼女のおかげで俺は変わることができたんだ
彼女のおかげで醜い野獣から本当の姿へ戻れた
俺は優しい心を知ることができたから
愛する心も知った…
だから
もぅ、薔薇が枯れようとも消えることはない
彼女と俺はこれからも生きていく
恥ずかしくて彼女へ言えないけど
言いたい言葉
それは…“ありがとう”
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『ずっとあの人を想ってます あなたが幸せなら…』
あの荒れた海で出会ったときからこの想いは始まった
あの人は何でもできてプライドが高い人
だけど本当は臆病で―
そんなあの人の隣にたってみたかった
だけど あの人は陸の上で暮らしている王子様
私は海の底で暮らしている人魚姫
人魚の私が陸に上がったら何も言葉にすることができなくて
少しの時のために魔女と契約してみたけれど
声がでない私には想いを伝える手立てがなくて…
あなたのためなら
魔女とかわしたとても恐ろしい契約も
破ってもかまわない
私が泡となって消えればいいことだから
大きな海に溶けて…
あの人の幸せを祈ってます
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死んで楽になるなら楽になりたいよ…
私はいらない存在
毎日 毎日 繰り返される
暴力にひどい言葉
誰かに助けを求めても
助けてくれない
反撃をしたくても
私の細い細い手で殴っても
あの人には効かない
お婆ちゃん お爺ちゃん
助けて…
あの人の本性を見抜いて
体中が痛いんだ
お腹がすいたんだ
もう 起きていることも難しいんだ…
お願い
誰か私を助けて…
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“神”と祭り上げられる我が種族
我は“神”か―
“鬼”なのか―?
ヒトは我をどちらかに決めたがる
我ですら我がナニ者かも
わからぬというのに
永い年月が我を“ナニ”にしたのか―?
我にも… 誰にも…
“ワカラヌ…”
我が仲間は次々と死んでいったのに
何故、我だけが生きている…?
“我はナニ者なのか?”
我がナニ者なのかの答えをくれる者を探しつつ…
我は行き続けるしかない
誰か我の探している答えをくれる者を
この永遠の年月のなかで出会う日を我は待ち望んでいる
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「あなたの“大切なモノ”は何ですか?」
そんなことを聞かれたよ
“大切なモノ”って一言でいうのは簡単なことだけど
それは‥説明することは難しい
私の“大切なモノ ”
それは『友達』―
いつも支えてくれる人
優しく慰めてくれる人
本当の私を理解してくれる人
この世に何人かしかいない大事な大事な人だから
私の大事な“友人”を
大切なあの人達を
“私はあの人たちを傷つけるモノは絶対に許さない”
大切な人と出会ってから
心の奥で誓った
誰にも言わない私の誓い―
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彼は
二人にとって大切な約束の日に彼女の前から消えていった―
彼女は彼をずっと待っている
やさしい彼があの約束の場所にくるのを−
『どうしてあの人は来てくれないの…? 絶対来るといったのに―』
ある日 彼女は静かにつぶやいた
ここは彼女と彼が見つけた秘密の約束の場所
彼女は今でも彼が来るのを待っている
でも…
彼女はあの日に死んでいた
心浮かれた彼女の魂
それは約束のこの場所にずっと縛られたままだった
もぅ 彼らは互いを見ることができない
だから 彼女は
彼があの日に渡すはずだった小さなダイヤの指輪を
泣きながら埋めていったことを
そして 彼には
彼女がここで泪を流しながらまっていることを
“知らない―”
悲しい別れをしてしまった二人
この二人がまた出会え
今度こそ我の根元に埋めた指輪を渡し合えることを
“我は祈る…”
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平凡な毎日に飽きたモノ
皆と生活のできなくなってしまったモノ
社会から逃げ出してきたモノ
そんな人たちが辿り着く不思議な館
そこは『人形館』
昼間は
夢を与える人形劇場で―
夜は
生きた人形達の唯一の居場所
夜しか動けない生きた人形達
昔は人間だったモノ―
社会から外れてしまったもの達が
楽しく遊んでいられるこの場所を選んでしまったから
彼らは人形となった
彼らは新たなる仲間を求めて彷徨っている
新しい“人間”―
いや 人形へとなるモノを探してる