詩人:禪稀 | [投票][得票][編集] |
彼は
二人にとって大切な約束の日に彼女の前から消えていった―
彼女は彼をずっと待っている
やさしい彼があの約束の場所にくるのを−
『どうしてあの人は来てくれないの…? 絶対来るといったのに―』
ある日 彼女は静かにつぶやいた
ここは彼女と彼が見つけた秘密の約束の場所
彼女は今でも彼が来るのを待っている
でも…
彼女はあの日に死んでいた
心浮かれた彼女の魂
それは約束のこの場所にずっと縛られたままだった
もぅ 彼らは互いを見ることができない
だから 彼女は
彼があの日に渡すはずだった小さなダイヤの指輪を
泣きながら埋めていったことを
そして 彼には
彼女がここで泪を流しながらまっていることを
“知らない―”
悲しい別れをしてしまった二人
この二人がまた出会え
今度こそ我の根元に埋めた指輪を渡し合えることを
“我は祈る…”